【現地ルポ/4月23日】下北の原子燃料サイクル施設〈前編〉 使用済み燃料を中間貯蔵するRFSを特別取材

2025年4月23日

金属キャスクは輸送・貯蔵兼用で、発電所で使用済み燃料を封入してから運ばれる。高さ5.2〜5.5m、直径約2.4〜2.6mの巨大な容器だ。放射性物質の閉じ込め、放射線の遮蔽、臨界の防止、除熱の4つを行う機能が備わり、その構造は堅牢で落下、火災、水没にも耐えられる。具体的には、外部が特殊な金属に覆われ、二重の蓋があり、ヘリウムガスが充填され、その中にペレット状の使用済み燃料が長い管状の入れ物に入っている。キャスクはコンクリート床上の架台に強固なボルトで固定され、並べる形で保管される。

金属キャスクの構造図(RFS提供)
金属キャスクはクレーンで建屋内に運び込まれ、架台に設置される
受け入れ区域から貯蔵区域に通じる巨大な扉
KKから運び込まれた1基目の金属キャスク。人と比べるとその大きさが分かる
コンクリートの床にがっしりと固定される金属キャスク

この施設は、原子炉などと違って運搬以外に稼働する機器などがないため、重大な災害が想定されない。つまり放射性物質の漏洩の可能性はかなり小さいと規制当局に認定されている。またこの地域の地盤は堅牢で、巨大津波の可能性もほぼない。それでもRFSは災害のさまざまな影響を想定し、その際のキャスクの安全確保のための活動を行なっている。

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