新経営ビジョンを策定 GX集積地のさらなる発展に貢献
【北海道電力】
北海道電力は、グループ経営ビジョンを刷新し、2035年に目指す姿の実現に取り組む。
発展に向け強力な追い風が吹く中で安定供給と脱炭素化を両立させ、新たな価値創造に挑戦し続ける。
北海道電力は3月、2035年に目指す姿として「ほくでんグループ経営ビジョン2035」を策定した。エネルギーの安定供給・経済成長・脱炭素の同時実現を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)や、生成AIの普及活用をはじめとするDX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりなどにより、北海道では中長期的な電力需要増加が見込まれている。こうした発展に向けた強力な追い風が吹いている一方、高齢化や人口減少の波が押し寄せており、今後、働き手不足などの社会課題が生じると想定され、これらの解決に向けた取り組みも必要となる。

新たな経営理念を制定 三つの経営テーマに注力
同グループは、これまで「人間尊重」「地域への寄与」「効率的経営」の三つを経営理念として掲げ、北海道を基盤とした事業運営を行ってきた。経営環境が絶えず変化し、将来の不確実性が高い中において、事業の持続的な成長と持続可能な社会を実現していくためには、自らの考え方や行動をこれからも変えていく必要があり、従業員の思いなどを聞き取りながら、改めて同グループが大切にしていくものを整理し、新たな経営理念を定めた。
新たな経営理念では、地域の人々とともに世界に誇れる魅力ある北海道を創り、暮らしを豊かにしていく存在であり続けたいという思いを「ありたい姿(Purpose)」として定めるとともに、その実現に向けて「果たす役割(Mission)」や「一人ひとりが共有する価値観(Values)」を体系的にまとめている。
そして、35年に目指す姿の実現に向けては「北海道の発展に向けたGX実現への挑戦」と「新たな価値創造に向けた挑戦」、さらにこれらを下支えする「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」の三つを経営テーマとして位置付け、取り組んでいくこととしている。
一つ目の「北海道の発展に向けたGX実現への挑戦」について、次世代半導体工場や大型データセンターなど、北海道へのGX産業集積に貢献するため、電力需要の増加や再生可能エネルギーの導入拡大を見据え、発電や送配電の電力インフラの着実な整備や水素・アンモニアなどの利活用によりエネルギーの脱炭素化を進めていく。
安全性の確保を大前提に、安定供給の確保・経済効率性・環境適合を同時に実現する。S+3E(安全性、安定供給性、経済性、環境性)の考え方の下、顧客へ着実に電気を届け続ける。泊発電所については、27年のできるだけ早期に3号機の、30年代前半までに全基の再稼働を目指し、総力を挙げて取り組みを進め、再稼動後には適正な水準で電気料金を値下げする。
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