【現地ルポ/6月9日】大阪万博の注目パビリオン 循環経済を体現するドイツ館
2025年6月9日
エネルギーフォーラムは6月号で、「万博が描く脱炭素の世界」を特集し、大阪・関西万博でエネルギーに関わる各国のパビリオンを紹介した。誌面では取り上げきれなかったが、エネルギーや建築美の観点から注目度が高いのが「ドイツ館」。「循環経済(サーキュラーエコノミー)」を軸に、持続可能な社会のあり方を、来場者が五感で体感できる工夫を随所に凝らしたのが大きな特徴だ。
パビリオンのタイトルは「わ!ドイツ」。この「わ!」には、循環の「環(わ)」、調和の「和」、感嘆の「わ!」の三つの意味が込められている。再生可能エネルギーの導入拡大を進め、都市環境と自然の調和を図るドイツの最先端の取り組みを、創造性あふれる空間設計と映像演出で、楽しみながら学ぶことができるのだ。

ドイツは2035年までに、「国内の電力をほぼ全て再生可能エネルギーで賄う」方針を掲げ、再エネシフトを加速させている。さらに、再エネ由来の電力から製造したグリーン水素を、産業・輸送・物流分野の中心に据える構想を推進中だ。


館内では、映像ディスプレイやイラストがアーチ状に配置され、360度、空間をフルに生かした没入型の展示が広がっている。建物自体も再利用可能な素材で構成されており、パビリオン全体が「循環経済」というテーマを体現している。


大阪万博を訪れた際には、サステナブルで幻想的な空間の中、ドイツが描く「循環型社会」の未来像を、ぜひ体験してみてはいかがだろうか。