【特集2】燃焼ガスの潜熱を回収して活用 業界最高のボイラー効率103%を実現

2025年8月3日

【川重冷熱工業】

川重冷熱工業は4月、小型貫流ボイラー「WILLHEAT(ウィルヒート)」シリーズの高効率モデル・潜熱回収型小型貫流ボイラー「WF―3000GLX」を発売した。ウィルヒートシリーズの特長は、高いボイラー効率に加え、燃焼と給水にPID(比例・積分・微分)制御を採用することで、蒸気圧力を安定させることにある。さらに独自構造の気水分離器により高い乾き度を実現した。新製品はこうした従来機の特性を引き継ぎつつ、燃焼ガスの潜熱を回収する。これにより、都市ガス(13A中圧)専焼の小型貫流ボイラーとしては業界最高の定格時ボイラー効率103%を達成した。

ウィルヒートWF―3000GEX


また、新たに開発した潜熱回収器をボイラー上部に配置したことで設置面積を抑え、複数台を導入する際の省スペース化に対応した仕様だ。


このほか、大型貫流ボイラー「Ifrit(イフリート)」は、高圧で大容量の安定した蒸気を供給できる。23年からは、水素専燃、水素・LNG混焼、LNG専燃の3モードの燃焼バーナーを搭載。燃料別によって燃焼モードの切り替えが可能になった。これにより、水素導入初期段階から普及後までを見据えた、カーボンニュートラルへの取り組みに貢献する。用途や目的、環境負担に配慮したボイラーメーカーの進化は止まらない。