リユースパネルで再エネ発電 新たな資源循環モデルを目指す
【中部電力ミライズ】
IGアリーナは名古屋のシンボル、名古屋城を臨む名城公園の一角に位置する多目的施設だ。特徴的な木組みの外観は、現代日本を代表する建築家・隈研吾氏の設計に特徴的なもので、温かみのある都市と自然の融合をテーマにしている。こけら落としとなった今年7月の大相撲名古屋場所に続き、来年は世界的な一大スポーツイベント・アジア大会の舞台にもなる。活気あふれる名古屋の新たなランドマークとして、今まさに注目されているスポットだ。

中部電力ミライズは、このIGアリーナのファウンディングパートナーとして、オープン当初よりCO2フリー電気を供給してきた。9月8日には、さらなるカーボンニュートラル(CN)への取り組みとして、リユースパネルを用いた再エネ電気の供給を発表した。
パネルの合計出力は約90kWで、年間発電量約7・5万kWを見込む。これはアリーナ内のデジタルサイネージおよそ1年分の消費電力に相当する。
30年以降の大量破棄見据え 環境負荷軽減に貢献
太陽光発電パネルの一般的な寿命は20年程度と言われ、法定耐用年数は17年だ。30年以降、大量の太陽光パネルが廃棄されることが想定されているが、処理場の不足、有害物質の流出などの懸念に加え、パネルの廃棄や新たな製造に関しても環境配慮の観点から大きな課題となっている。

今回の取り組みでは、自然災害の被災などにより利用できなくなった太陽光パネルを点検し、リユース可能なパネルのみを調達。今年度中にIGアリーナ専用のオフサイト太陽光発電所の運開を目指す。
IGアリーナで開催された記者発表会で挨拶した同社の三谷建介名古屋営業本部長は、「今回の取り組みにより、パネルの廃棄、新たな製造に伴う環境負荷軽減に貢献できる」と述べた。脱炭素の一歩先を行く、資源循環の新たなモデルとして今後の展開が期待される。