【特集2】太陽光連動型給湯機の普及拡大へ お得な料金プランで自家消費を促進
【九州電力/東京電力エナジーパートナー】
太陽光発電(PV)の余剰電力を使うタイプのヒートポンプ給湯機。
大手電力数社が料金プランを整備し、本格導入を開始している。
大手電力会社では、昼間の余剰電力を使ってお湯を沸かす太陽光連動型ヒートポンプ給湯機の普及を図るため、専用料金プランを提供し、太陽光発電(PV)の自家消費を促している。
日照条件に恵まれる九州では、PVの導入量が1100万kWに達している。春・秋の昼間を中心に電力の供給量が需要を上回る状況が発生しており、電力の需給バランスを維持するため、再生可能エネルギー電源の出力要請が増加している。九州電力では2022年7月から「九電ECOアプリ」を活用したデマンドレスポンス(DR)を実施してきた。軽負荷期(春秋)には「上げDR」として電力使用を促し、重負荷期(夏冬)には「下げDR」として節電を促す仕組みだ。
24年4月に導入された料金プラン「おひさま昼トクプラン」では、基本料金は従来のオール電化向けプランと同じ料金で、昼間の電力需要を創出し、再エネの有効活用につなげている。オール電化で「おひさま昼トクプラン」を適用した場合、電気・ガス併用住宅に比べ、1カ月当たり約7492円割安となる試算だ。

昼間のPV余剰電力を活用 効率的な湯沸かしで料金削減
「おひさまエコキュート」は、PVのある家庭に向けた高効率給湯機だ。従来のエコキュートが主に夜間に沸き上げを行うのに対し、おひさまエコキュートは昼間の時間帯に稼働し、PVで発電した余剰電力や、昼間の安価な電気で効率的にお湯を沸かす。昼間に沸かすと夜間よりも外気や水温が高く、より少ない電力で効率的にお湯を沸かせるというメリットがある。
東京電力エナジーパートナーの料金プランでは、従来品に比べ、年間で約27%料金が抑えられる。固定価格買い取り(FIT)制度の期間を終えた卒FITで売電収入が低下した家庭にとっては節約につながることも魅力だ。
国や自治体では給湯機の導入や交換に補助金制度を用意しており、おひさまエコキュートのような太陽光連携型の高付加価値給湯機は、今後ますます普及拡大していくことが見込まれている。