生産性向上や脱炭素化へ 電化の導入事例をウェブ配信
【日本エレクトロヒートセンター】
日本エレクトロヒートセンター(JEHC、内山洋司会長)が10月20日から、最新の電気加熱技術を伝える「エレクトロヒートシンポジウム」を同センターのウェブサイト上で開催している。
20回目となる今回のテーマは「熱利用の切り札〝ヒートポンプ・電気加熱〟~2050年カーボンニュートラルに向けたイノベーション」だ。視聴は無料で、開催期間は11月30日までを予定している。

提供:前川製作所
経済産業省資源エネルギー庁の福永佳史・省エネルギー課長が、第7次エネルギー基本計画を踏まえた今後の省エネルギー政策について基調講演しているほか、日本電鍍工業の代表であり、ものづくりなでしこの副代表理事を務める伊藤麻美氏が「未来を見据えたものづくり戦略」をテーマにした特別講演を行っている。
その他、「〝電化への道筋〟アメリカ・産業分野の脱炭素化に向けた重要な柱」といった海外事例や、配信期間を限定した「省エネを地域で支える!パートナーシップ制度の〝橋渡し役〟が拓くエレクトロヒートの可能性」(静岡県、三島信用金庫)、「工場が変わる、持続可能なモノづくりを支える」(宮城県、神奈川県ほか)、「電化専門家による脱炭素経営支援」(ほっとコンサルティング)といったコンテンツも用意している。
導入事例の紹介を充実 効率化のアイデア満載
「従来は電化の技術そのものを紹介することが多かったが、今回は電化技術がさまざまな現場で利用されている現状を伝えるために、実際にヒートポンプや誘導加熱、赤外線加熱などの電化技術の導入事例や導入された背景を紹介している。生産性の向上や脱炭素に資する電化の事例を知ってもらいたい」(JEHC関係者)
例えばヒートポンプ使用のケースでは、猛暑で工場内の作業効率が低下している現場に対して、前川製作所が「冷温水を同時に供給するヒートポンプで電気代実質ゼロ円の暑熱対策」として事例を紹介。また、三浦工業が、製油・繊維・食品の3工場で効率的に廃熱を回収した成功事例を発表している。
その他、「赤外線加熱」の事例も。電気加熱器具を手掛けるメトロ電気工業が、開放的な空間で効率的に暖房する技術と導入事例を紹介しているほか、中部電力ミライズが、自動車製造の塗装工程でCO2削減と品質向上を両立する塗装ヒーターを開発した取り組みと複数の工場へ展開した事例を取り上げている。
「シンポジウムは回を追うごとに視聴者数が伸びている。前回は5600人だったが、今回は6000人以上に見てもらいたい」(同)としている。


