災害援助隊が全国一斉訓練 LPガスの安定供給維持に貢献
【岩谷産業】
岩谷産業のLPガス特約店組織「マルヰ会」は10月22日、「MaruiGas災害救援隊」の全国一斉訓練を行った。マルヰ会は、災害時にLPガスの復旧作業を行う全国的な互助組織として同救援隊を編成し、隊員の技術向上と連携強化を目的とした訓練を毎年1回開催している。今年は全国73カ所で、523社から合計1936人が参加した。

関東ブロックの会場の一つ、茨城LPGセンター(茨城県那珂市)には17人の隊員が参集。全国の会場とオンラインでつながり、本部から配信される講義の聴講や屋外での訓練を行った。 清水尚之専務執行役員・エネルギー本部長による訓練開始の号令後、隊員たちは災害救援隊マニュアルを取り出し、全国の仲間と読み合わせをした。
次に屋外に移動し、非常用発電機の動作確認を行った。茨城LPGセンターは災害時には情報・物流の拠点となる災害対応型基幹センターであり、停電時にも充てん作業などが行えるとあって、電源をオンにすると、力強いごう音が辺りに響いた。
この後隊員は、一人ひとりが持参した工具箱を開け、当日配布されたチェックリストと照らし合わせた。リストには高圧ガス移動時に携行すべき31種の資材工具とその扱い方が書かれ、隊員たちは一つひとつ丁寧に確認を行った。最後に会議室に戻り、オンラインでの保安講習に参加した。ガス漏れによる飲食店の火災など、全国で発生した漏えい事故の原因や対処などを共有した。

各地の災害現場で活動実績 レジリエンス向上目指す
MaruiGas災害救援隊は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に誕生した。現在の隊員は3600人。これまで、東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など全国各地の災害現場で延べ33回、2215人の出動実績がある。
保安講習の講師を務めた梶野昭彦保安部長は、「今日帰社したら学んだことを同僚に伝え、各拠点で保安について確認する日にしてほしい」と締めくくった。MaruiGas災害救援隊は今後も訓練を重ね、「災害に強いエネルギー」というLPガスへの人々の期待に応えていく。


