【特集2】電圧の均等化技術で特許を取得 充放電時の性能を最大限に発揮
【NExT-e Solutions】
安定供給に資する大容量蓄電池を展開するNExT-e Solutions。
創業時から築いた技術が、系統用蓄電池の“電力会社品質”を実現した。
日本の電気事業には、安定供給や安全性において世界的にも厳しい基準が設けられ、高い水準が求められる。そうした中、エネルギー会社をはじめ、建設会社や商社といった国内大手のプロジェクトに次々と採用されているのが、NExT-e Solutionsの蓄電システムだ。
大規模な蓄電システムは、複数の蓄電池を直列接続して構成されるが、新品であっても個々の蓄電池には容量と残量にばらつきがある。そのため、充電時には放熱による均等化が図られて電力ロスが発生。一方、放電時には電力を使い切れず、電池性能を最大限に発揮できない状況があった。この課題を克服したのが、同社が特許を取得した「アクティブバランス」技術だ。同技術は、セル・電力パック間での電力移動によって、セルとモジュール両方の電圧を均等にする。これにより、無駄なく充放電できるようになり、従来の10倍以上の電流での動作が可能になった。蓄電池の長寿命化にもつながっている。
大手電力が認めた制御技術 中古電池でシステム構築
同社の設立は2008年。井上真壮社長は「設立当初から大容量蓄電池にはシステム制御が必要と考え、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の開発に力を入れてきた」と振り返る。その後、東京電力パワーグリッド(PG)から技術面での評価を得てタッグを組み、18年ごろからエネルギー向け蓄電システムの共同開発をスタート。19年の資本業務提携締結を経て、23年には系統連系プロジェクトを実現した。同社が蓄電システムを構築する一方、東電PGの子会社である東京電設サービスが運用・安全管理やメンテナンスを担い、“電力会社品質”を担保している。

将来、電気自動車の蓄電池のリユースが進むと同時に、系統用蓄電池を長期に稼働していく中、電池交換によって新品と中古の蓄電池が混在した運用が想定される。この点において、共同開発の開始当初、新品以上に容量などのばらつきがある中古電池を使用して制御技術を構築したことも大きな強みだ。「これからの資源問題を見据え、リユース電池のさらなる活用につながる開発を進めていきたい」と、井上社長は今後の抱負を語った。


