【特集2】エンジニアリングの知見が強み EPCを軸に五つの部署で対応

2026年1月3日

【テス・エンジニアリング】

テス・エンジニアリングの蓄電システム関連事業が、同社の主力事業へと成長している。2025年9月末時点の受注残高に占める割合は85・4%。そのほとんどが、大型蓄電システムのEPC(設計、調達、建設)だ。同年11月現在、系統用蓄電所、太陽光発電所の併設型、工場・事業所向け蓄電池を合わせて、受注金額は約400億円を超える。


蓄電池事業は、五つの部署が担う。営業本部は顧客から高圧・特高の系統用蓄電所のEPCを受託し、系統接続の取りまとめから設備工事まで一貫して対応する。また、過去に太陽光発電所を納入した既存顧客を中心にFITからFIPへの転換と蓄電池併設も提案している。


一方、国内事業本部は、「開発型EPC」を展開する部隊。系統用蓄電池の系統接続や用地開発、EPCなどに主体的に関与し、開発に関する一連のソリューションを提供する。また、自社で所有する太陽光発電のFIP転と蓄電池併設も手掛ける。

蓄電池を併設した自社グループの太陽光発電所


営業本部と国内事業本部の案件を形にするのが設計と工事を担当するエンジニアリング本部だ。同社では蓄電池EPCの設計積算を集中的に対応する蓄電池チームを設置。品質の確保はもちろん、蓄電池購買力の強化や仕様標準化による効率化などを通じ、コストダウンにも取り組む。


運開後の案件を引き継ぎ、蓄電ビジネスを成り立たせるのが電力需給本部の役目。アグリゲーターとして、需給調整市場をはじめ、容量市場や卸電力市場において電力取引・販売を行い、収益性の確保を図る。


さらに、運開後の体制も万全だ。CS本部がメンテナンスなどのアフターフォローを担当。日々の稼働状況を確認しながら、安定した運用をサポートする。

事業予見性の低さに課題 各市場の変更点を常に把握

顧客向けの案件に加え、自社サイトの開発も進行中だ。その第一号案件として、鹿児島県内4カ所で、連結子会社の太陽光発電所のFIP転と蓄電池の設置工事を行った。こうした幅広い提案や開発ができるのは、主力とするエンジニアリングやメンテナンス事業で築いた経験と知見があるからだ。


電力小売り事業におけるノウハウも、各電力市場で取引する際の強みとなっている。だが、電力市場の活用は今後の課題でもある。「各市場の制度設計は変化にさらされており、事業の予見性が低い状況にある。変更点を常に把握しておくことが欠かせない」。国内事業本部本部長 (兼) 電力需給本部本部長の井元良平氏はこう話す。その対策の一つとして、業界全体で課題を出し合うなどの動きが出ているという。


こうした課題を抱えつつも、同社の引き合い案件は、系統用蓄電所で累積380件、太陽光発電所のFIP転と蓄電池併設で累積210件に上る。これらの実現に向け、今後も蓄電池事業の拡大を図っていく方針だ。