【特集2】系統用と再エネ併設型で経験を蓄積 28年度の産業用事業参入を目指す
【サーラエナジー】
サーラエナジーは2025年10月20日、「サーラ東三河太陽光併設蓄電所」(愛知県豊橋市)の開所式を行った。電力系統との接続による蓄電に加え、既存建物の屋根上に設置した太陽光発電(約736kW)で発電した電気も蓄電する。リチウムイオン電池の容量は7520kW時で、出力は1999kW。一般家庭約600世帯分を賄える。また、この5日前には、浜松市内に系統用の「サーラ浜松蓄電所」も開所した。

蓄電所の検討を開始したのは21年。先代社長からの意向を受けて始まった。その後、補助金を活用しながら、建設を進めてきた。
系統用、併設型ともにこれから本格稼働を控える同社だが、最終的に目指すのは、産業用蓄電池への参入だ。電力事業推進部の瀧本修部長は「今後、産業用を手掛ける際に、系統用と再エネ併設型で培った経験やノウハウが大きな強みになる」と話す。産業用参入の有望なタイミングとして、28年度に予定されている化石燃料賦課金の導入を挙げる。「税金を払うのではなく、自社でエネルギーを電池に貯めて、無駄なく使いたいと考える事業者さんは少なくないはずだ」(瀧本部長)という。
日本初のモデルに挑戦 電力市場取引のみを活用
サーラ東三河太陽光併設蓄電所が注目を集めている大きな理由は、FITやFIPの認定を受けず、市場取引のみで収益化を図るという点だ。同蓄電所は、19年に運開した東三河バイオマス発電所の敷地内にあり、同発電所がすでにFITを活用している。そのため、二重に認定を受けられないということから、電力3市場(卸電力・需給調整・容量)での取引を通じて収益を獲得する日本初のビジネスモデルとして取り組むことになった。

同社は、電力事業を中⾧期の成⾧分野と位置付け、再生可能エネルギーの導入を促進する蓄電池の普及・拡大が必要不可欠だと考えている。今回の蓄電所の稼働開始により、電力事業の成長を加速させる基盤が整った。今後は、自社の再エネ電源の開発や蓄電所の運用にとどまらず、地域に根を張るグループ各社との連携を通じて、顧客のニーズが高まる蓄電池の設置や蓄電所の建設を推進していく。
23年に開始したサーラグループの中期経営計画は25年に最終年を迎えた。3年間累計150億円を計画していた成長投資については、蓄電所など新分野への投資を中心に順調に進捗し、今後の展開が期待される。
瀧本部長は「今後、蓄電事業に注力するにあたり、顧客の伴走者となり、蓄電事業を通じてお客さまのお困りごとを一緒に解決する姿勢を示していきたい」と意気込みを語った。


