【特集2家庭用エネルギー】岩谷産業がクラファン活用でカセットガス商材の市場開拓

2026年2月3日

クラウドファンディングを使った岩谷産業の販売戦略が好調だ。従来とは異なるビジネスモデルを確立した同社の取り組みを取材した。

岩谷産業が新しい手法を使ったカセットガス商材の販売戦略を展開している。舞台はクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」だ。これまで、炎をインテリアとして利用できる暖炉「MYDANRO」(3万9800円)、金属加工の街、新潟県燕市の調理機メーカーと連携して作ったプロ級の鉄板焼きが味わえる「ホームシェフプレート」(4万4000円)、珈琲焙煎機メーカーと共同開発した珈琲焙煎機「MY ROAST」(5万5000円)などの製品を開発し、マクアケ上でヒットさせてきた。

高付加価値化に挑戦 「刺さる」商品開発に注力

マクアケは、さまざまなコンセプトの商品やサービスをウェブ上で公開し、購入希望者を募る仕組みだ。公開されるのはマクアケの審査を通過したよりすぐりのもの。公開後、一定期間内にあらかじめ設定した目標金額に達すれば出品側の期待以上の商品であることの証左となり、金額の多寡で応援具合が分かる。提供企業は、プロジェクト期間に購入された数量を生産し、利用者が享受できるのは数カ月後。「従来は量販店などで万人に受ける商品を大量に売るビジネスモデルだったが、新しい販売戦略のハブとしてマクアケを活用している。一見すると単なる資金調達の場だと思われがちだが、在庫リスクを軽減でき、受注生産に近い形をとれるため、需要の読めないとがった商品に挑戦できる」と本山孝祐マーケティング部長は話す。例えば、ホームシェフプレートは、ステンレスでアルミを包んだ三層構造で、鉄板上の熱ムラを防ぎ、本格的な味わいを再現。高付加価値をうたい消費者に刺さる商品開発に注力している。

注目は、手掛けた商品全てがヒットしたこと。MYDANROが3000万円、ホームシェアプレートが1200万円、MY ROASTが4600万円以上と、30万円から100万円程度だった目標金額を大幅に上回った成果に。いずれもマクアケ公開は終了済みで、同社公式通販サイトで販売中だ。現在は、「火加減調整不要」「直火で早くおいしく炊ける」などの高付加価値炊飯器「PROGOHAN」をリリース(3月終了予定)。7万円台と高額ながら、1月上旬時点で5000万円以上を集めている。「アイデアはまだたくさんある」(本山部長)とヒット作連発の快進撃が続きそうだ

高付加価値炊飯器の「PROGOHAN」