【フォーラムアイ】JERAがアンモニア転換で初の商用化にまい進

2026年2月12日

【JERA】

JERAは国内最大の石炭火力である碧南火力発電所(愛知県碧南市・計410万kW)でアンモニア発電の商用化を目指し、燃料タンク建設などの工事を進めている。1月中旬、報道陣にその模様を公開した。4号機で2029年度に20%転換で商用運転開始を目指し、その後5号機での実施や、さらに50%転換への挑戦も視野に入れる。世界的にグリーン燃料系プロジェクトに逆風が吹く中、ビジョン実現に変わらずまい進する構えだ。

タンク建設現場を紹介する坂所長

24年4~6月、世界初となる大型商用石炭火力でのアンモニア20%転換試験を4号機で行った。NOX(窒素酸化物)は転換前と同等以下で、最大転換率28%達成といった良好な結果を受け、次のステップに入った。燃料アンモニア受け入れ桟橋やタンク、気化設備、BOG(タンクで自然発生するアンモニアガス)処理設備、除害設備などを増強する。発電設備は一部改造するが、ボイラーやタービン、排ガス処理装置などの主要機器は改造しない。

アンモニア取り扱い規模は実証では3万t程度に対し、20%転換商用運転では年50万tとなる見込み。スケールアップに向け、例えばタンクは実証用では2000㎥だったが、商用では約5・9万㎥を4基建設する。LNGタンクに似た構造で、高さ40m、直径60mほど。1~4号タンクで半年ずつ工期をずらし、最も早い1号タンクは屋根上げが完了し内装や外装工事に入った。また、実証時より安全対策を一段高める方針だ。


プロジェクト完遂に意欲 競争力ある電源目指す

バリューチェーン構築のめどもついた。米国ルイジアナ州の「ブルーポイント」で、天然ガスを原料にCCS(CO2回収・貯留)を行って製造する低炭素アンモニアを調達。年間生産能力は約140万tを見込む。

そして、政府による補助が後押しとなった。4・5号機が23年度の長期脱炭素電源オークションを落札。加えて昨年末には、水素社会推進法に基づく価格差支援の認定事業者となった。

坂充貴所長は、「水素・アンモニアや再生可能エネルギーの投資環境が停滞気味なことは否めない。だが、脱炭素の取り組みを続けていくことが将来への備えとなる」とし、碧南のプロジェクト完遂に意欲を見せた。将来的には政府の支援なしに、他の脱炭素電源と比べアンモニアの電気が競争力を持つ形を目指すことも強調した。