【関西電力・森社長】不変の使命を胸に変革を積み重ね、未来を切り拓く

2026年3月1日

安全最優先で60年運転へ 立地地域に新たな支援策

井関 原子力についてお尋ねします。昨年11月に美浜発電所の後継機設置に向けた現地調査が再開しました。スケジュール感などを教えてください。

 現在はまだ初期段階の調査です。どの地点が適地であるかを調べるための調査であり、4~5年の期間を想定しています。具体的な炉型については、現在運用しているPWR(加圧水型軽水炉)の安全性を一段と向上させた「革新軽水炉」がメインのターゲットになるでしょう。
井関 既設プラントの活用も欠かせません。高浜発電所1、2号機は原子力規制委員会から60年運転の認可を受けました。

 既設プラントの運転は、安全・安定運転を日々積み重ねていくことが大前提であり、第一の責務です。規制対応で止まっていた期間を考慮しつつ、実質的な60年運転を目指します。そのために必要な検査はもちろん、設備の取り替えなども含めた対策を万全に施し、安全最優先で進めます。

後継機設置に向けた調査を再開した美浜発電所

井関 今年1月には、原子力発電所の立地地域振興のため、年50億円前後の資金を、信託銀行を通じて拠出する新たな制度の運用が始まりましたね。

 これまで福井県とは「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議」を通じて、具体的な地域課題の解決や振興策を議論してきました。その中で、個別の自治体からの要望を含め、より実効性のある形でお答えするために、今回のスキームを作りました。

井関 福井県では新たに石田嵩人知事が就任しました。

 今後、石田知事の下、これまで進められてきたエネルギー政策が、引き続き丁寧な議論を重ねながら進められていくものと認識しています。当社としては、石田知事と丁寧にコミュニケーションを図り、地域の皆さまのご理解を賜りながら、原子力発電事業を推進していきたいと考えています。

井関 原子力発電を継続し、社会基盤を支えていく上で避けて通れないのがバックエンドの問題です。昨年2月に見直した「使用済み燃料対策ロードマップ」の進捗と、実現に向けた決意を教えてください。

 ロードマップで最も重要なのは実効性です。大きく分けて三つの柱で構成されています。第一に「六ヶ所再処理工場の竣工・搬出」、第二に「使用済みMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の再処理実証研究を目的としたフランスへの搬出」、そして第三に「一時的な搬出先である中間貯蔵施設の確保」です。これらを同時並行で、着実に進めていくことが責務です。

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