【フォーラムアイ】伊藤菜々が行く! 西部ガス「ひびきLNG基地」
地産地消のe―メタン実証 多方面から関心集める
西部ガスでは、23~25年に環境省補助事業「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」を行いました。九州のエネルギー供給を担う企業として、移行期の天然ガスシフトによる低炭素化と並行して将来のe―メタン供給による脱炭素化に向けた取り組みを推進しています。実証ではe―メタン製造に係る四点について検証しました。


一点目として、原料となる水素とCO2について、地域原料を積極的に活用し、最適な組み合わせによるe―メタン製造コストの低減について検証しました。再生可能エネルギーが多い九州では日本卸電力取引所(JEPX)の1日の中の値差が大きいため、JEPX価格が安い時間帯には水電解装置を使い、そうでない時間は近隣から調達する水素を使用します。CO2はひびきLNG基地のボイラー排ガスから分離回収したものと、福岡市内の下水処理場から調達したものを併用し、地産地消モデルの確立に取り組みました。
二点目として、製造コストが最小となる最適な原料調達計画と製造計画を自動で行うために「e―メタン製造コスト最適化システム」を開発。実地試験にて運用と評価を行いました。
三点目は都市ガス製造工場のボイラーなどの排ガスから高効率で分離回収するために「CO2回収装置」を開発。実地試験にて運用と評価を行いました。
四点目はクリーンガス証書の発行のために必要な原料の原産地に係るエビデンス管理や、e―メタンのカーボンフットプリントを管理するための「CO2トレーサビリティプラットフォーム」を開発。このシステムを通じて、実証の協力事業者であるトヨタ自動車九州などに証書を提供しています。
今後は30年のe―メタン導入を目標に、国内実証の知見を生かしながら、並行して進めている海外製造のe―メタン活用も検討するそうです。コスト面に加え、エネルギー自給率・セキュリティー面から安定供給や海外のCO2帰属ルールなどの政策動向にも注視し、最適な導入方法を検討していく方針です。
本実証はe―メタンの認知拡大につながり、3600人以上の見学者が訪れ、メディアも多く取り上げました。実証メンバーは地域や分野を超えた企業や大学、エネルギー事業者などのため、多方面からメタネーションに関心が集まったことでしょう。一連の取り組みでユニークなのが「メタ姉さん」というオリジナルキャラクターも生み出したこと。一般消費者の皆さんに分かりやすく伝える取り組みはとても大切だと思います。



