【記者通信/3月26日】「LNG調達に支障なし」 都市ガス大手2社トップが強調

2026年3月26日

米国とイスラエルによるイラン攻撃でホルムズ海峡の実質封鎖が続き、石油調達などへの支障が出始めている中、日本の都市ガス業界では今のところ大きな混乱は生じていない。東京ガス、大阪ガスの両社長は、いずれもホルムズ海峡を通過する国からLNGを調達しておらず、足元で量的な支障はない点を強調した。ただ長期化した場合、ガス・電力販売価格や顧客への影響などが懸念されるとした。

メディア懇談会で語る藤原・大阪ガス社長

3月25日の会見で東ガスの笹山晋一社長は、「LNGは中東には依存しておらず、9割以上が長期契約で、短期的には影響は軽微だ」と説明。大ガスの藤原正隆社長も、同日のメディアとの懇談会で「現在ホルムズを通る長契はない」「当社ガス・電力事業に十分なLNGを確保している」とした。

ただ、封鎖が長期化した場合は随所で影響が出て来る可能性がある。

まずガス事業では、原料費調整制度により4~6カ月後に原料価格の高騰が反映され、販売価格は「7月ごろから上がっていく」(藤原氏)見通しだ。

販売量にも効いてくる可能性がある。ナフサを始め石油製品の価格上昇や供給支障が生じれば、顧客の生産活動の縮小につながるためだ。他方、「第二次オイルショックの時のように、油や石炭を使っているところが、調達が安定しているガスへ転換するという逆のベクトルもある」(同)

そして電力小売り事業者の間では、数年前の価格高騰の再来が危惧されている。笹山氏は、「低圧に関しては、事業は継続している。高圧に関しては状況を注視しており、状況が長く続けば、電力価格高騰リスクがあるのでリスクマネジメントしながら事業をやっていく」と説明した。

この他、「状況が長引けば輸送船の燃料などの影響が出てくる可能性もある」(笹山氏)。

今のところそうした問題はないが、ガス業界は今後、燃料油の供給制限などが浮上した場合に備え、石油業界に対しインフラ関連への制限の順番について交渉しているという。

いずれにせよ、両者とも引き続き状況を注視しつつ、安定供給に万全を期す姿勢を見せている。