【記者通信/4月2日】むつ中間貯蔵への搬入ストップ 再処理工場遅延で宮下知事表明

2026年4月2日

青森県の宮下宗一郎知事は3月31日、原子力発電所から出る使用済み燃料の中間貯蔵施設(青森県むつ市)への新規搬入について、2026年度は容認しないと表明した。同県六ヶ所村の再処理工場の26年度中の竣工が「確実に遅れる」として、「なし崩し的に燃料だけが搬入される環境をつくるわけにはいかない」との考えを示した。

青森県の宮下知事

むつ中間貯蔵施設は24年に操業を開始した。県や市、事業者との安全協定では貯蔵期間は50年となっている。宮下氏が懸念するのは、長期間にわたって中間貯蔵施設に使用済み燃料がとどまることだ。操業前には国に働きかけ、25年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画に「中間貯蔵施設等に貯蔵された使用済燃料は六ヶ所再処理工場へ搬出する」と明記された。

同施設を巡っては運営会社に出資する東京電力と日本原子力発電が昨年末、他事業者との連携を検討する意向を青森県とむつ市に伝えた。他社分の使用済み燃料の受け入れが念頭にある。今年3月13日にはむつ市議会が、他社分受け入れの検討を求める経済団体からの請願を賛成多数で採択した。宮下氏は31日の会見で、搬入容認の見送りとは「関係のない話」と強調した。

原燃だけが悪いのか? 柏崎刈羽の輸送に影響も

26年度には柏崎刈羽原発5、6号機から約60tの使用済み燃料を輸送する計画がある。来年度以降も宮下氏の拒否姿勢が続けば、88%という6号機の使用済み燃料プールの貯蔵率は下がらず、さらなる号機間輸送などの対応を取らざるを得ない。27年度を予定する東海第二、敦賀両原発からの輸送にも黄信号が灯る。

停滞を打破するには再処理工場の竣工・安定操業の実現が唯一無二の解決策だが、日本原燃による原子力規制委員会への工事計画の説明は遅れている。宮下氏が言及したように、目標とする「26年度中の竣工」が間に合わない可能性が出てきた。目標の延期が常態化していることについては、原燃側に落ち度があるのか、規制委側に問題があるのか、人によって見方が異なる。宮下氏は、延期は「会社自身を貶めていることだとより強く自覚してほしい」と事業者に対して厳しい見方を示した。

ただ、本誌昨年7月号のインタビューでは「青森県として安全確保を第一義に、地域振興や雇用に寄与することを前提として協力していきます」と述べるなど、原子力政策に協力的なのは確かだ。まずは竣工に向けて、原燃にはもうひと踏ん張りが求められる。