【特集2】 LNG活用が現実的な選択肢 革新技術の実装に向け前進

2024年11月3日

次世代の燃料市場を見据えて相次ぎ布石を打つ都市ガス大手。環境面の優位性を高めようと技術力に磨きをかける。

カーボンニュートラル(CN)の実現に向けたトランジション(移行期)に突入する中、石炭や石油からLNGに転換する取り組みが広がっている。燃料を切り替えるだけでCO2排出量の削減が進むからだ。燃料転換を促す都市ガス業界は並行して、水素とCO2から都市ガス原料のメタンを合成する技術「メタネーション」の実用化に向けた実証事業も加速しており、移行期を支える業界の存在感が増しそうだ。

多様な強みが再び評価 S+3Eを満たす手段

「カーボンニュートラル社会へのシームレスな転換をけん引したい」。今夏に東京都内で開かれたエネルギー関連の国際展示会「ジャパン・エネルギー・サミット」で、登壇した東京ガスの笹山晋一社長が移行期の戦略に触れ、LNGの高度利用やメタネーションの実用化に力を注ぐ決意を強調した。

東京ガスのメタネーション設備

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