【特集2SAF最前線】商用化へホンダとIHIの技術開発が大きく進展

2026年4月3日

将来、航空業界の脱炭素化につながる技術開発が国内で進んでいる。
IHIは高品質なSAFの合成、ホンダはSAF100%での小型機飛行を実現した。

国内航空機のエンジン生産シェア約7割を持つIHIは1月、CO2と水素を原料とするSAFを試験装置規模で合成することに成功した。


同社は2022年からシンガポール科学技術研究庁傘下の研究機関と共同で、CO2と水素からSAF原料の液体炭化水素を直接合成する触媒の開発を進めてきた。ラボ試験では触媒が世界トップ水準の性能であることを確認した。昨年9月からは研究機関内の試験装置で合成を開始。得られた触媒に改質処理を施したサンプルを航空燃料の世界的評価機関である米国ワシントン州立大学で分析した。

 その結果、初期段階のSAF候補として必要な安全特性を持つことを確認した。 特に炭化水素組成と粘性に代表される低温流動性が高く評価され、飛行中の寒冷環境での運用に必要な基準を十分に満たし、燃料の密度や燃費性能において優れていることが示された。これは商用化に不可欠な国際規格取得への重要な一歩となる。IHIは30年頃の本格的な市場提供を目指しているところだ。

液体炭化水素(左)と改質後のサンプル(右)

SAF100%での試験飛行に成功 通常燃料と同等の性能を確認

一方、小型ジェットという二ッチな市場をターゲットにするホンダは、昨年10月、SAF燃料100%の試験飛行に成功した。航空機事業子会社のホンダエアクラフトカンパニーが、現在最も普及している動植物由来の油を原料としたSAFを使用し、米国ノースカロライナ州で実施した。同社が主力とする、最大離陸重量が約5670kg以下のベリーライトジェット機(超小型機)カテゴリーにおいてSAFのみを使用して飛行に成功したのは世界で初めてのことである。


ホンダはすでに、ホンダジェットに搭載しているHF120エンジンを用いたSAF100%による地上試験を完了している。今回の試験飛行では、SAF100%を使用した影響を既存のジェット燃料と比較し評価した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の飛行性能を確認できた。


航空業界の脱炭素化に向け独自技術の研さんを続ける国内企業の貢献は、持続可能な未来へ向けた大きな推進力となるはずだ。