【SNS世論】原子力規制側に問題はなかったのか?浜岡巡る不適切事案を別の視点で考える

2026年11月4日
中部電力の浜岡原子力発電所の津波防護壁

盛り上がらない中部電力批判

中部電力が原子力規制委員会と規制庁による浜岡原子力発電所の地震動の審査においてデータの処理で不適切な報告をした。これを受けて林金吾社長と勝野哲会長が9月末に辞任し、再稼働審査の申請を取り下げると発表した。また9月14日に外部委員による調査報告を発表した。

オールドメディアは中部電力批判の報道を熱心に続けている。しかし社会全体に大きな批判の広がりはないように思える。そして最近の世論形成で大きな影響力を持つSNSではそれほど議論になっていない。

原子力規制は専門的な問題であるために、短い情報を感情的に議論する傾向のあるSNSには馴染まない問題であるためかもしれない。福島原子力事故から15年が経過して、原子力そのものの社会的関心が低下している面もある。

しかし今の原子力規制政策は社会常識から考えておかしなことが多い。SNSは普通の人の視線、そして社会常識が現れるという長所がある。その視点から、SNS世論が原子力規制を検証することを期待している。

報告書から見る中部電力の問題

中部電力の外部委員作成の調査報告書によると、この事案の概要は次のようなものだ。浜岡原子力発電所で2012年に同社は新規制基準による審査を申請した。そこで同社は耐震設計の基になる最大の地震の揺れ「基準地震動」を新規制基準の申請でこれまでの800ガルから1200ガルに引き上げた。

その後の審査では、振動の試算でその基準を超えないように結果の揺れが少なくなるデータを使った。225件の当局への提出数値で、少なくても208件で、データを恣意的に選ぶ行為があった。原子力土木建築部がこの問題行為の中心になった。専門的な作業であり、部外からの監視がしづらかった。

土建部は2012年の申請直後からこの行為を行い、他部署の指摘や内部告発まであったのに2023年ごろまで続けた。社内の再稼働を求める圧力で、振動を軽微に見せ、早期再稼働を目指すためだった。林前社長は9月の退任を発表した会見で「実務者の困難を理解せず、目標を話した」と、自らの発言を反省した。

オールドメディアは批判一色となった。朝日新聞は「中部電力の不正「再稼働ありき」やめよ」(9月15日)と言う社説を掲載し、中部電力に原子力発電の運営資格はないかのような社説を出した。

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