CO2と一次エネルギー消費量を大幅削減 CNに貢献するハイブリッド給湯システム

2022年9月3日

【パーパス】

電気とガスの「イイトコどり」でコストダウンも実現するパーパスの給湯システム。 脱炭素化へのトランジション期の今、メーカーができることに挑み顧客を支援する。

電力自由化が始まった2016年、パーパスはガスだけでなく電気も使う製品を作ろうと、ヒートポンプ(HP)とバックアップ給湯器(エコジョーズ)、貯湯ユニットから構成される給湯システムを開発した。

瞬間的に多くのお湯をつくれるガス給湯器のエコジョーズと、時間はかかるものの、空気中の熱を使うことでガスよりもはるかに高効率でお湯をつくれるHP。この両者の“イイトコどり”で、「給湯量は多く、ランニングコストは抑える」ハイブリッド給湯システムが誕生した。従来のエコジョーズのみの使用に比べ、一次エネルギーを約35%、年間のランニングコストを約47%削減する。全国に展開するレストランやファーストフード店、福祉施設などで導入が進んでいる。

業務用ハイブリッド給湯システム

鈴木孝之営業企画部長によると、最近は環境意識の高い、比較的小規模な店舗からの引き合いも増えているという。一次エネルギーの削減は、CO2の削減につながる点が注目されていると見る。

「カーボンニュートラル(CN)に対応するグリーンLPガスなどの実用化に向け、今は脱炭素化へのトランジション期。CO2排出量をできるだけ抑えた商品を提供していくことが、今のメーカーに課せられた任務だと思っています」

CO2排出量のさらなる削減率アップを目指し、開発を進める。

分散設置で敷地を有効利用 地域に貢献する製品目指す

ハイブリッド給湯システムは、三つのユニットを分散して設置し、敷地を有効に利用できる。最も大きな貯湯ユニットは容量90ℓとコンパクト。業務用エコキュートの約3分の1の大きさだが、給湯に不安はない。鍵は、最大沸き上げ温度90℃という高温仕様だ。50℃程度で使うのであれば、混ぜる水の量を増やして温度を調整する。お湯の使用量は少なくなり、タンクは小さくて済む。

発売当初、LPガスの使用量が減ることは「ガス屋さん泣かせ」と言われていた。だが今では、いかに顧客にメリットの高い商品を提案し、使ってもらえるかということを考える事業者が増えているそうだ。LPガスがCNを目指し、パーパスもそれに対応できる商品を開発することで、事業者と地域に貢献していきたいとしている。

省スペースで施工性も向上。評判も上々だ