「水素先端技術センター」を新設 次世代ディスペンサー開発を推進

2022年10月15日

【トキコシステムソリューションズ】

トキコシステムソリューションズはこのほど、静岡事業所(掛川市)内に「水素先端技術センター」を開設した。世界的なカーボンニュートラルの潮流の中で、水素利用はさまざまな用途で拡大していくと見られる。車両分野では燃料電池自動車(FCV)に加え、商用大型トラックなど市場の拡大が見込まれ、バス向けの車体をより大型化した物流向けFCVへの期待が高まっている。同センターでは、そういった次世代車両向けディスペンサーの開発に乗り出す。

開設した水素先端技術センター

次世代ディスペンサーでは、充填時間を小型FCVは3分程度、大型トラックは10分程度で済ませる充填時間短縮技術や、1台のディスペンサーで異なる車体サイズの車両に同時に水素を供給する充填技術、圧縮機や蓄圧器などのステーション機器の効率的な運転制御技術などが求められてくる。

そこで、同センターには従来比5.5倍の吐出能力の圧縮機、同2.4倍の蓄圧器、同5.5倍の模擬充填タンクなどを揃え、充填試験全体で、最高圧力は87.5MPa、最大流量は同3倍以上の流量試験が可能な設備を実現した。これにより、ディスペンサーの出荷前試験の能力を、従来の月当たり最大6台から同20台まで引き上げた。インフラ事業責任者兼静岡事業所長の髙橋太氏は「まずは大型トラックへの充填を目指します。同センターは、さらに大流量の試験にも対応するなど、将来を見据えた設備を揃えます」とアピールする。

最新の評価設備が並ぶ

岩谷産業グループに加わる 技術によるシナジー創出へ

トキコは全国53カ所の水素ステーションにディスペンサーを納入するほか、水素ステーションのエンジニアリングにも携わる。今年4月に岩谷産業グループに加わった背景にはそうした技術力を持つことも要因にあったとのことだ。

輪島勝紀社長&CEOは「今後、岩谷産業グループで創出できる新分野としては、水素ステーション用配管ユニット、各種プラント制御機器、水素サプライチェーンやアンモニアなどの流量計測や制御製品の拡大などが考えられます。グループ全体で目指すCO2フリー水素サプライチェーンの構築を後押したい」と抱負を語った。新たな価値創出に積極的に取り組んでいく構えだ。