地域と共存する再エネ開発 国内外の脱炭素事業をけん引

2023年7月8日

【レノバ】

木南陽介/レノバ代表取締役社長CEO

2000年の創業以来、環境課題の解決を目指してさまざまな事業開発に取り組むレノバ。

再エネ開発の要点と国内外の情勢に応じた新事業について、木南陽介社長に聞いた。


―再生可能エネルギー事業の方針について教えてください。

木南 再エネ開発は創業当時から構想していましたが、東日本大震災以降のエネルギー政策の転換を契機に、本格参入した形です。

当社初の太陽光発電は14年に1基目が運転を開始。これまでは大型を中心に開発してきましたが、最近は開発ポテンシャルや急速な需要の高まりを踏まえ、小規模分散型にかじを切りました。また16年にバイオマス発電所も運転を開始しており、来年にかけてさらに5カ所での運転開始を目指し、試運転や建設を進めています。

6月現在、建設中案件を含めた設備容量は、太陽光375MW(1MW=1000kW)、バイオマス445MW、陸上風力346MW、水力17MW、地熱2MW程度となります。


「再エネ+α」の価値提案 PPAで新たな強みを

―特に意識していることは。

木南 発電所の建設・運営だけでなく、地域の新たな産業創出など「再エネ+α」の価値を提案することです。再エネ+αを実現するには、まず地域ごとの歴史や文化に根差した「対話」を行わなければなりません。当社が上から目線で対峙するのではなく、「地域の方を上に置く」姿勢が大切です。対話を通じて知識差を埋め、その上で私たちが地域に対して貢献できる内容を提案します。

―最近では小売り電気事業者や需要家と再エネ電気を直接取引するフィジカルPPA(電力購入契約)、および電気は卸電力市場に供給し、別途環境価値を提供するバーチャルPPA(仮想電力供給契約)にも力を入れていますね。

木南 再エネ固定価格買い取り制度(FIT)の開始から10年が経過し、昨年4月には市場連動型のFIPがスタートしました。これを受け、当社は26年度3月期までにPPA全体(フィジカルおよびバーチャル)で合計300MWの積み上げを目指しています。これまでに東京ガス、エバーグリーン・マーケティングとそれぞれフィジカルPPAを締結し、東京ガスとの契約はすでに順次運転を開始しています。またバーチャルPPAに関しては、5月に村田製作所と締結しました。

PPA事業の迅速な拡大を可能にしたのは、当社の新旧の〝強み〟です。これまで当社は、環境・エネルギー分野の調査・コンサルティングから出発し、再エネの開発・運用を手掛けることで、エンジニアリングやファイナンス、リーガル、オペレーションの実績を積み上げ、強みとしてきました。さらに現在はPPAなど非FIT電力事業を通じて、「需要家開拓」という領域も強みの一つになりつつあります。

事業領域の拡大イメージ

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