【特集2】「鉄のまち」で実績づくり 社宅舞台にユニークな展開も
2024年11月3日
【室蘭ガス】
北海道南西部の室蘭市は、「鉄のまち」として歴史的に栄えてきた道内有数の産業集積地だ。この地で都市ガス事業を営むのが室蘭ガスだ。
市内で道唯一の銑鋼一貫製鉄所を運営する日本製鉄とは、密な連携体制を構築。都市ガス製造に関わる一部の設備は、日鉄系の企業と共同で運用している。そうした中、室蘭ガスは、工場隣接地の社宅を舞台としたユニークな燃料転換の実績を積み上げてきている。
もともと工場からの廃熱を生かし、日鉄が蒸気管を敷設して社宅向けに蒸気として熱を供給していた。ただ、日鉄にとって蒸気管の維持管理などが負担だったことから、室蘭ガスが燃転を提案。温水をつくるボイラーを新設し、社宅内の暖房設備を維持しながら、都市ガスからの供給に切り替えた。
昨年には、化学肥料メーカーの日東エフシーの燃転をサポートした。これまで同社では重油を用いていたため、バーナー(燃焼器)の洗浄に作業負担を強いられていた。こうした経験を土台に需要家の要望を満たす提案活動を強化し、燃転の好事例を重ねていく考えだ。