【目安箱/5月27日】エネルギー産業の新たな顧客「外国人」とどう向き合うか

2025年5月27日

日本で、外国人の居住が増えた。旅行者も増加しているが、在留者も昨年12月末の時点で、約376万9000人と増えている。そして在留者は、日本で働く形で滞在する。この人たちの行動が、これまでの常識では想定できない形で、エネルギービジネスに影響を与え始めている。

◆「電気を止められたから放火」

まず考えなければならないのが、エネルギー産業各社の従業員の安全だ。これまでの日本のエネルギー産業では、想像できない事件が起きた。今年4月4日、東京電力の甲府事務所が放火された。犯人は玄関に灯油を撒いた後に車で逃走した。幸いなことに、すぐ消し止められ、怪我人はなかった。警察が防犯カメラの映像を追跡したところ、犯人は南アルプス市で飲食店を経営するスリランカ人だった。3ヶ月前に電力料金を不払いで止められたことに腹を立てたという。

電力料金は、飲食店経営の中で大きな割合を占めるだろうが、払えないほどの負担とは思えない。また会社の玄関には、今はどこにも防犯カメラがある。それなのに、すぐに特定されそうなこんな事件をするのは愚かだ。また日本の電力会社は顧客に優しく、なかなか電気を止めない。これ以上の詳細は警察からも東電からも発表されていないが、この程度の動機で犯罪に走るのは異様な行動だ。

「外国人だからこのような犯罪をした」と、差別的なことを言うつもりはない。日本人にも悪い人は当然いる。しかし外国人の中には、想定できない行動をする人がいることは確かだ。そして彼ら全てが善人ではない。

◆太陽光発電の機材窃盗、盗電の懸念

その他にも、外国人による困った動きがある。日本の太陽光発電は、安易な参入が行われたので、管理が各所で放置されている。それを狙われ、ここ数年、機材が盗まれる例が多い。ここ数年の最銅の高騰で、その電線が切断され盗まれる例が増えている。そして、多い。その実行犯、また買取をする犯人が外国人である例が多い。例えば、今年5月に茨城県警が逮捕した事案では、同国に在住するタイ人3人が発電所のケーブルを1年にわたって盗み続け、被害総額は4億円程度になったという。

全国で、建設業・解体業では、外国人労働者が目立つようになった。また外国人の運転免許の緩和でトラックに乗るようになっている。SNSで多くの日本人がその問題行為を見付け、公表している。危険な運転ばかりだ。そこで彼らの運転するトラックには多くの場合に、缶から車のタンクに液体を入れる石油ポンプがつ備えられているとの指摘がある。

灯油と軽油はほぼ成分が一緒で、灯油を使い軽油を燃料とするディーゼルエンジンを使うトラックは動かせる。灯油は軽油より税金が安い。しかし、それを続けるとエンジンの故障は多く、排気ガスも多くなる。かつての日本では、業界団体と警察の努力でそうした灯油のディーゼルの使用は減った。それを外国人がやっているらしい。

◆「外国人批判」と問題を怒る人々

ただし、外国人を批判し、事実を指摘すると、配慮が不足すると、人権問題として批判されかねない。一例を示してみよう。埼玉県南部には、トルコ国籍のクルド人が集住し、彼らが違法行為、迷惑行為で地元住民とトラブルとなっている。メディアはほとんど報道しないが、SNS主導で社会に知られ、注目を集めてしまった。

その埼玉県南部で24年秋から大規模停電が何度か起きた。ある日本人ジャーナリストが、トルコでクルド人の集住地域で「盗電」が問題になっているとの情報を、トルコの新聞を紹介する形で伝えた。

在日クルド人の出身地であるトルコ南部では電力が送電線から盗まれ、中には配電の4割分が課金できない市町村がある。住民は、電力会社の電線に自分用の電線を繋いでしまう。その電線を切断する、料金を徴収しようとすると、暴力的に電力会社の社員が追い払われるなどの事件が多発していると言う。盗電は日本以外の国では珍しいことではない。しかしそのためにトルコでは、電力会社の収益が低下し、一部地域の電力供給が不安定になっている。これは日本の電力会社も念頭に置いていい話だろう。

このジャーナリストはXの投稿でこの事実を紹介した後で、「まさか日本でね。もしかしたらこの停電も」と、余計な言葉を付け加えてしまった。すると、クルド人の擁護をする日本人、またカタコトの日本語を話すクルド人が「差別だ」「ヘイト(特定人種への憎悪)だ」と批判し、炎上しそうになった。するとクルド人を批判する一般人が、このジャーナリストを擁護する、またはトルコの現状を紹介して、批判を批判した。SNS上で相互のグループで罵り合いが広がってしまった。

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