【東北電力 石山社長】「実行力とスピード」重視 新たな価値を提供し 利益創出に挑み続ける
洋上風力など再エネ開発 環境変化に適切に対応
門倉 再生可能エネルギーの開発を進めていますが、どのような状況でしょうか。
石山 30年以降早期に、風力発電を主軸として新たに200万kWの開発を目指しており、自社単独での風力案件の推進や、専焼バイオマス発電事業への参画などを進めています。また、創立以来開発を進めてきた水力発電や、地域ポテンシャルの大きい地熱発電など、すでに稼働している電源についても、設備の改修や発電電力量の拡大に向けた取り組みを進めています。25年12月末時点までに当社グループが出資参画している開発案件が事業化された場合の持分出力は、約90万kWとなっており、引き続き目標達成に向け、風力を中心に、水力、地熱、バイオマス、太陽光についても、開発可能性調査などを実施していきます。
門倉 洋上風力公募案件について、ラウンド2(R2)の秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖、八峰町・能代市沖、R3の青森県沖日本海(南側)の3海域に参画していますが、現状の評価と、政府の議論への期待や意見などをお聞かせください。
石山 3海域とも円安による為替影響や資機材価格の高騰に直面し事業環境が厳しくなっていますが、それらに適切に対応すべく、さまざまな検討を協業会社とともに行っており、予定された各種調査や設備設計、施工方法の検討に加え、地域の行政機関や関係者との協議も着実に進めているところです。
一方で、洋上風力発電事業は事業期間が長期にわたり、今後も資機材価格の高騰などによる費用の変動リスクが継続する中、安定的に事業運営を続けていくためには、「脱炭素電源が適切に評価されるための市場や制度の改善」や「電源投資にかかる事業環境整備」などの国の取り組みが重要になるものと認識しています。今後こうした議論が進むことを期待するとともに、引き続き協業会社と設備設計、調達資材、施工方法などの精査に取り組んでいきます。

門倉 一定規模の電源に対して、政府の信用力を活用した融資制度を創設することが検討されていますが、期待度はいかがでしょうか。
石山 電源投資には多額な資金がかかる一方で、回収までには時間的なズレがあり、収入がない建設期間中の事業者負担は重いことから、長期かつ大規模な投資資金を補完し得る融資制度は必要であると考えます。
その上で、実効性のある仕組みとなるためには、融資規模、利率、融資対象の明確化などの内容・条件について十分な精査が必要と考えています。
需要獲得へ販売活動強化 DC構築・誘致も加速
門倉 電力小売りの競争環境をどう分析していますか。また、需要獲得に向けどのように取り組んでいく考えでしょうか。
石山 卸電力取引市場価格の落ち着きなどを背景に、競合他社は安値の料金提案を積極的に展開しており、法人のお客さまにおいて需要離脱が増加傾向にあります。こうした中、当社は、過度な値下げ競争とならないことを念頭に、ギリギリの価格対抗を行うことで離脱を最小限に食い止めていますが、利幅が減っている状況です。
競合他社の積極的な提案姿勢は続くものとみられ、今後もさらなる離脱拡大・利幅減のリスクをはらんでいることから、需要を死守するとともに需要奪還により利益を拡大すべく、引き続き価格対抗を行っていきます。
併せて、グループ企業とも連携し、お客さまのニーズを先取りしたさまざまな付加価値サービスの提案を組み合わせ、非価格面での対抗も進めていきます。
また、利益の維持・拡大に向けては、データセンター(DC)への関わりを増やす取り組みを加速するとともに、エリア外での販売活動も進め、エリア内外における需要獲得に積極的に取り組んでいきます。


