福岡市油山の生物多様性を保全 研修所の森が自然共生サイトに認定
【西部ガスホールディングス】
福岡市の繁華街から車で南に30分。里地里山の環境が形成された油山の麓に「西部ガスグループ油山研修所」がある。西部ガスグループでは30年以上にわたり、同施設の敷地内に生い茂る樹木の維持管理にも携わる。こうした長年の活動や、この森が地域の自然環境と調和しながら教育・研修の場として機能し、人の活動と自然の保全が両立している点などが評価され、25年9月、国から地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」の認定を受けた。

自然共生サイトは、民間の取り組みにより生物多様性の保全が図られている区域(森林、里地里山、都市緑地など)を環境省が認定する仕組みで、23年にスタートした。
グループガバナンス部のサステナビリティ推進担当者は、認定を申請した目的について「地域のエネルギー供給を支える企業として、環境との共生を重要な使命と考えている。自然を守りながら事業活動を行う姿勢を明確にし、従業員や地域社会とともに生物多様性保全に取り組みたい」と語る。
体験型学習の場を提供 環境保全を自分ごとに
自然共生サイトの認定にはモニタリングが必要になり、動植物の活動が活発になる春と秋の年2回実施している。近隣の自然観察センターの協力を得て25年春に実施した際には199種の動植物が確認された。この自然豊かな研修所の今後の活用に関し、同グループのサステナビリティ推進担当者は「自然環境を生かした体験型の学習を充実させ、従業員が環境保全を自分ごととして考えられる場にしていきたい」と語る。

その第一弾として25年11月に、グループ従業員の親子向け自然観察会を開催した。参加した親子は、研修所の森でどんぐりなどの木の実やさまざまな色や形の木の葉を拾い、それを白い画用紙に貼り付け、額に入れ、自宅の部屋の壁を飾るアートを作成した。研修所の森は一般公開されていないが、近隣にある学校など教育機関と連携しイベント実施も考えているという。
福岡市内で初認定となった同研修所は、視察希望者の問い合わせも多く、自然共生サイトへの関心の高さがうかがえる。同社は今後、北九州市のひびきLNG基地の認定も目指す予定だ。


