【記者通信/1月29日】25年度新エネ大賞が決定 革新的新型水車の開発が最高賞

2026年1月30日

新エネルギー財団が2025年度新エネ大賞の受賞者を決定し、最高位の経済産業大臣賞や、それに次ぐ資源エネルギー庁長官賞など14件を選出した。1月28日に都内で表彰式を開いた。太陽光、風力、水力などさまざまな分野の新技術や導入事例があり、GXにつながる内容やAIの活用なども目立った。

新エネ大賞は1996年に創設し今回で29回目。新エネの機器開発や設備導入、地域共生などの先進事例を表彰し、新エネの普及促進を目的とする。

今年度大臣賞に輝いたのは、秋田県産業労働部、東北小水力発電、早稲田大学による「広範囲な流量・落差で運転可能な新型水車の開発」。ポイントは、従来型フランシス水車を改良し、これまでの設計の常識を覆す革新的技術により、低水量域での安定発電を実現した点。運転可能な流量域や落差の拡大、高効率化により、発電電力量が増大する。また、柔軟な水車の配置によりトータルコストの低減が見込め、これまで開発を断念していた地域での導入も期待できる点が高い評価を得た。

長官賞は2件 地域版GXや福島復興支援を評価

エネ庁長官賞には、「洋上風力×データセンターの連携による地域活性化への挑戦」、「福島の復興と地域発展に貢献する『国内最大』の陸上風力発電所」の2件を選んだ。

前者は、グリーンパワーインベストメント、グリーンパワーリテイリング、京セラコミュニケーションシステムの取り組みで、地域版GX・DXモデルとして期待される。石狩湾新港洋上風力(北海道)と、近隣に建設した太陽光を電源とし、蓄電池やAIを活用した需給制御などを実施。事業開始時点ではデータセンター事業として日本で初めて常時再エネ100%を実現した。

後者では、福島復興風力が運営する阿武隈風力発電所の売電収入の一部を避難指示解除区域などに拠出。地域住民の雇用や地元メーカーの活用にも積極的で、まもなく福島原発事故の発生から15年を迎える中、着実に復興を後押ししている点が評価ポイントとなった。

同財団の寺坂信昭会長は、第7次エネルギー基本計画の策定から1年となる中、さまざまな情勢変化があることに触れつつ、「カーボンニュートラルの国際的な流れが一部で足踏みしているのは事実だが、底流では再エネの導入拡大を内外で競い合う姿に変わりはない」「わが国においても経済安全保障、GX産業立地、地域との共生と国民負担の抑制を意識しながら、産学官の再エネ導入拡大に向かう取り組みはさらに力を増していく」と強調した。