【特集2水素エネルギー】充填時間を大幅短縮 タツノ製ディスペンサーが韓国で高評価

2026年3月3日

タツノは世界初の2本ノズルで同時充填できるディスペンサーを展開中だ。水素ステーションの需要が高まる韓国での販売に注力している。

国内の定置式水素ステーションにおいて多くの導入実績を誇るタツノの水素ディスペンサー。「Hydrogen-NX」は87.5MPaの高圧対応で、高精度流量計による正確な充填、セルフ式でも直感的に操作できる機能性が特長だ。「Luminous H2」は大型商用車向けで、従来のノーマルフローより急速に充填できるミドルフロー対応の2本ノズル同時充填を世界で初めて可能にした。ノーマルフローの最大3倍の流速を実現し、大型車の大容量タンクにも短時間で充填可能だ。

韓国が水素政策を積極推進 水素バス向け販売の伸びに期待

韓国では現在、「水素経済活性化ロードマップ」に基づき、世界をリードする水素社会の実現を目指している。政府主導の水素経済促進政策により、水素自動車、水素ステーションともに数が増加している。


環境イノベーション情報機構によると、2025年の水素自動車の導入台数は、24年比182%増の6903台。また水素自動車の利便性改善のため、水素ステーションの建設も加速しており、25年は目標の450カ所を達成。26年は500カ所超、30年までに660カ所超の建設を目指すという。


同社の現地法人、韓国タツノでは、日本から届く水素ディスペンサーを構成するコンポーネントを組み込み、安定した信頼性を保ちながら納品する体制が取られている。操作性や充填能力などにおいて顧客からの評価が高く、再注文につながるなど、販売は好調だ。エネルギーエンジニアリング部次長でカーボンニュートラル・水素グループの田中智久リーダーは「韓国は水素モビリティの中でも特に水素バスに力を入れており、今後も水素ディスペンサーの販売数の伸びが期待できる」と話す。

韓国の水素ディスペンサー


日本では近年、水素ステーションの設置が滞っている。こうした中、同社は水素ステーション以外での利用向けとして、コリオリ流量計や充填ノズル、緊急離脱カップリングといったコンポーネントの拡販にも注力。安全で確実な水素充填を支える高性能な製品を展開するための供給体制を強化している。


水素は低・脱炭素社会の実現に不可欠な次世代エネルギーの旗手。グローバルな知見と最先端の技術力を兼ね備えた同社は、今後本格化する日本や世界の水素サプライチェーン構築において極めて重要なキープレイヤーになるだろう。