【フォーラムアイ】電力先物に中部エリアを追加 参加者からの要望高まり4月開始
【東京商品取引所(TOCOM)】
日本の電力消費量は世界5位につけるほど多消費国であるが、電力先物取引を活用した割合は11%程度と低く、市場拡大のポテンシャルは高いとみられている。2025年の東京商品取引所(TOCOM)の取引高は4583GW時に達するなど、近年は増加傾向にある。

そうした中、TOCOMは電力先物の取引対象として、新たに中部エリアを追加し、4月13日に取引を開始すると発表した。東京・関西に続く第三の経済圏である中部エリアが開始となることで、さらに流動性が高まる見込みだ。総合業務室営業担当の山尾繁一課長は、エリア追加の背景をこう話す。「中部エリアは地域間連系線の混雑などを背景に東京と関西エリアとの価格差が生じやすい地域。従来、中部エリアの市場参加者は東京と関西の価格を指標にヘッジしていたが、独自の価格指標をつくってほしいとの要望が多くあった」。従前から存在する「価格差取引(スプレッド取引)」に「東京―中部」、「中部―関西」の組み合わせも追加となる。
現物と先物の連携サービス 取引の事務作業を簡略化
TOCOMと日本卸電力取引所(JEPX)は、今年8月をめどに現物取引と先物ポジションをひも付ける電力現物・先物連携サービス「JJ-Link」をワンストップ・サービス化する。現状のフェーズ1ではTOCOMが現物の約定データの連携を受け、先物ポジションと照合し、合致することの確認結果を電力会社へ返すことで先物と現物の結びつきを証明していた。フェーズ2ではTOCOMからJEPXへのデータ連携により現物発注が行われる仕組みを構築しワンストップ・サービス化を実現する。山尾課長は「オペレーションの簡素化に加え、ポジションの可視化が進むことで、ヘッジ会計が認められやすくなるとみられる。紹介した事業者からの反応も上々だ」と話す。
このほか4月13日から欧州のエネルギー市場の取引が活発化する時間帯を意識し、夕方の取引時間を立会内取引は午後4時30分から、立会外取引は午後4時25分から開始に前倒しする。また、昨年5月には4月~翌年3月の国内事業年度に合わせた年度物の取引を開始した。
TOCOMでは中部エリアの追加、先物と現物の連携サービスの高度化、取引時間の調整、年度物の取引開始など、電力先物市場の促進のため、さまざまな利便性向上に取り組んでいる。こうした施策によって電力先物市場の厚みをさらに持たせていきたい考えだ。


