【記者通信/1月22日】再エネのアセス緩和は必要!?風力でも乱開発拡大の恐れ

2021年1月22日

また日本野鳥の会は、5万kW以下の風力事業に関して、19年9月から翌年11月までの間に18件の意見書を全国の発電事業者に提出していると説明。「バードストライクの問題は、規模ではなく立地の問題。まずは、こうした問題と向き合い、関連法の議論が行わなければ判断できない」と主張した。

愛知県も、「規制緩和により規模要件未満の発電所が急増し、地元との合意がなされないのでは」との不安を吐露。北九州市も同様に「バードストライクが増加するのと同時に、(アセス逃れのために)発電所を分割して規模を小さく見せる案件なども増えるのでは」と危機感をあらわにする。

一方、賛成派である風力協会と自然エネ財団は、風力発電について規制緩和の必要性強調。その中で、アメリカ、ドイツ、韓国などが規模要件を「5万kW以上」に定めていることを大きな根拠として挙げている。また風力協会は自治体や環境団体が抱える不安に対し、「協会にも独自の自主アセス制度があり、そうした問題をカバーできる」と説明。自然エネ財団も「手続きにかかるプロセスを公開し、海外事例を踏まえた簡易的なアセスメントを行うことで対応できる」と語った。しかし、各参加団体からのプレゼンテーション終了後、委員からは「なぜ5万kWを適切とするのか」といった質問が相次いだ。これに対し、根拠については風力協会、自然エネ財団のいずれからも明確な説明はなかった。

鳥獣保護の観点では、環境団体の見解は一致している

そうした中、アセス制度全般について、「鳥獣の飛行ルートや生息域を記すゾーニングの拡充や、出力の緩和に以外の方法で審査期間を短縮するよう制度設計を見直すべきだ」との見解では、参加団体は一致している。これらゾーニングや審査期間の短縮方法については12月1日の会合で語られており、そうした意味では河野氏が口にする「省庁の動きが遅い」という指摘は正論と言える。早急に対策を講じる必要があるだろう。

だが、当初は「海外がそうだから」「アセス審査に時間が掛かるから」といった安易な根拠で、規模要件を1万kWから5万kWに引き下げようとしていた事実は、重く受け取られるべきだ。 今後のスケジュールについて環境省事務局に話を聞いたところ、第2回の会合は2月8日に開かれ、アセス制度のより良い形を探るよう議論を深堀りしていく予定だ。今後はアセス制度の本質に関わる議論が行われるという意味では、正しい方向に収れんする可能性はある。大量導入が進まないからとの理由で新規参入者を増やすのは、過去にFIT制度が施行され、全国各地で太陽光発電所の乱開発が進んだのと同じ構図だ。真のSDGs(持続可能な開発目標)の観点からの検討が求められる

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