【特集2】燃焼と蒸気供給技術を融合 専焼・混焼の両モードを実現
2025年3月3日
【川重冷熱工業】
業界に先駆けて1970年代から水素を燃料とするボイラーを開発・製造してきた川重冷熱工業は、その知見を生かし、水素焚の貫流ボイラーの開発に注力している。
2021年には、小型貫流ボイラー「WILLHEAT(ウィルヒート)」に水素専燃バーナーを搭載した製品を開発・発売した。同製品は98%の定格ボイラー効率を誇るウィルヒートに、NOx(窒素酸化物)排出量を世界最小に抑えた「ドライ式低NOx水素専焼バーナ」を組み込んだものだ。
従来は、蒸気噴霧や排ガスの再循環などで水素燃焼によるNOx排出量を抑えていたが、これには熱損失を伴う。独自の水素と空気の混合方式を用いるドライ式バーナーで、熱効率を維持したまま低NOxを実現した。
23年12月には、大型貫流ボイラー「Ifrit(イフリート)」に水素専燃・混焼機能を追加。培ってきた各種ボイラーでの水素燃焼技術とイフリートの蒸気供給プロセスを組み合わせた。水素と天然ガスの混焼モードと2つの燃料を個々に燃焼する専燃モードを切り替えることで、「水素専焼」・「水素混焼」・「天然ガス専焼」の3つのモードを実現した。混焼時は水素を熱量比で0~30%まで調整可能。同社は今後も水素関連の技術開発を進め、顧客の需要に応えていく。
