【現地ルポ/5月27日】東ガスが袖ヶ浦基地公開 7月以降に発電所稼働へ
2025年5月27日
東京ガスは5月26日、袖ヶ浦LNG基地と3月に敷地内に完成した袖ケ浦発電所を報道陣に公開した。同基地は1973年に操業を開始。世界最大級の貯蔵量を誇り、これまでに日本の累計輸入総量の約2割に当たる約4億t、タンカー9000隻分のLNGを受け入れてきた。今後は発電所の稼働によって、安定供給に向けた新たな役割を果たすことになる。
3月に敷地内に完成した袖ケ浦発電所。10台のガスエンジンは起動即応性の高さを生かし、7月以降、主に調整力電源としての活用を見込む。


マイナス162℃という超低温のLNGは、海水との熱交換によってガス化する必要がある。その際に用いるのが、オープンラック式ベーパーライザー、通称ORVと呼ばれる設備だ。ORVは海水を使用するためコストを削減でき、構造がシンプルで保守点検が容易。気化したガスは熱量調整設備へと送られる。



製造した都市ガスは6万㎞を超える導管網を通して需要家に届けられる。だが、ガス管がつながっていない都市ガス事業者や大口需要家には、ローリーでLNGを送り届け、現地でガス化して使用している。

脱炭素へのトランジション(移行)に向けて、石炭に比べて低炭素のLNGの役割は高まっている。今後も袖ヶ浦LNG基地は首都圏の安定供給の中心だ。