【フォーラムアイ】伊藤菜々が行く! 西部ガス「ひびきLNG基地」
【西部ガスグループ】
西部ガスグループのエネルギー広域供給拠点として2014年に稼働したひびきLNG基地。
現在、3号LNGタンクの新設が進む同地を電力系Youtuber伊藤菜々氏がレポートする。
ひびきLNG基地(北九州市)は、18万klのLNGタンク2基と国内最大規模のローリー出荷設備を有する基地です。世界最大級・全長300mものLNG船が入港可能な桟橋のほか、海外から受け入れたLNGを天然ガスに戻す気化装置も、高圧・中圧で合計5基あります。

福岡・北九州などへはパイプラインで都市ガスを、導管網から離れた地域へはローリー車でLNGを供給しており、その件数は100万件を超えます。また、隣接地で今年3月運開を目指すひびき発電所にもガスを供給する予定です。同基地は、北部九州の拠点として非常に重要な役割を果たしています。
地震や津波のリスクが低く、アジア圏に近い立地も強みで、LNG船向けのガスアップクールダウン(GUCD)サービスやISOコンテナによる海外出荷といった事業実績も豊富です。まさに、グローバルビジネスを展開する適地と言えます。
大型LNGタンクを新設 従来にない用途を開拓
現在、同基地では既設のLNGタンクよりもさらに大きな23万kLの新タンクを建設中です。この3号LNGタンクの主な役割は①カーボンニュートラル(CN)を背景とした国内天然ガス拡大への対応、②安定供給のさらなる向上、③新グローバルビジネスの推進の三つです。

西部ガスグループでは、「天然ガスを利用したい」という引き合いが増えており、特に石炭や石油からの燃料転換が今後も増えると見込んでいます。CNを実現するためには天然ガスの活用が欠かせません。タンク増設だけでなく、ローリーの出荷設備も18レーンまで増やし供給体制を強化するそうです。
また、LNGタンク容量が増えることで、都市ガス供給の計画と実績に差異が生じても、LNG船の配船調整の緊急性が低くなり、柔軟に対応しやすくなります。西部ガスは3号LNGタンクの有効活用に向け、JERAとひびきLNG基地の戦略的活用などについて合意しました。
例えば、JERAは電力需要の変動によりLNG船の調整が発生しても、3号LNGタンクを活用することで、より柔軟な対応が可能になります。一方西部ガスは、JERAとLNGを相互融通することで基地の安定的事業運営と収益の確保が図れます。
現在、両社で具体的な仕組みを構築中ですが、昨年11月には同基地からJERA基地へのLNG船の仕向地変更などを実施し、西部ガスとして初のLNG融通取引を実施しました。


