【特集2LPガス供給最前線】緊急対応時の業務負担を軽減 不要な遮断・通報を回避する東洋計器の超音波メーター
東洋計器の超音波ガスメーター「DLメーター」の市場導入が順調だ。導入により利用者の利便性向上や事業者の負担軽減につながっている。
東洋計器が昨年秋に発売した超音波LPガスメーター「DLメーター」が好評だ。同社は400万世帯を超える保安関連情報を分析して開発。不要なガス遮断や通報を回避する「ダブル・ラーニング(DL)方式」を搭載した。

2022年10月~23年9月までの1年間にマルチセンターで受信した保安通報のうち、対応が必要な増加流量遮断、合計流量遮断、継続使用時間予告・遮断に関するものが40%以上を占めていた。また、これらの保安通報は、ガスの使用量が増える秋から冬にかけ、同じ需要家を中心に毎年繰り返し発生していたという。この事象はLPガスメーターの学習機能によるもの。夏季のガス使用パターンのまま気温が下がる時期を迎え、使用量や時間の変化に対応できないことが原因だった。
DL方式では、秋口に前年の冬季に学習した最大流量や区分ごとの最大使用時間値を仮設定し、冬季の実際の使用量に基づいた遮断値を学習して本設定する。これにより安全性が担保され、不要な遮断を回避できる。
LPガス会社の協力による95件のモニター実証では、明らかな有用性が確認された。24年度には95件のうち35回の遮断が発生したが、25年度にはDL方式の学習効果が発揮され、遮断回数は5回に減少。利用者にとっては、ガス利用中にガスが使えない不満が減り、ガス復帰時の手間を省くなどのメリットがある。一方、ガス事業者には緊急対応による業務負担軽減、改善への効果が期待される。神奈川県のLPガス事業者・トーエルは昨秋、一挙に5850台を導入するなど、市場への浸透も進んでいる。
ビッグデータで顧客分類を考察 多角的提案で需要を開拓
同社はさらに、ガス使用量のビッグデータ分析を活用し、顧客のカテゴリー分けを実施。これによりガス事業者と併走しながら、ガス利用世帯ごとへの料金体系の最適化や需要予測、利用者の満足度向上に資する提案へとつなげていく方針だ。今後は分析によって得られたデータ活用方法を基に、AIを利用した提案や料金メニューの多様化、電気や灯油などとのエネルギー単価やCO2排出量の比較などによる多角的なアプローチによって、ガス利用の拡大と需要開拓に挑んでいく。


