【特集2 ライフライン強靭化】通信インフラ稼働に貢献 LPガスで非常時の電力確保支える伊藤忠エネクスグループ
災害時の安否確認などに重要なのが、通信インフラだ。LPガスと通信事業者の協業の下、システムの整備が進んでいる。
全国津々浦々に整備されている携帯電話基地局は、エネルギー供給設備と同様に日々の安定した通信・通話を担う重要な公共基盤である。そんな通信インフラに対してエネルギーの安定供給に注力するのが、伊藤忠エネクスグループだ。同社は、ソフトバンクが運用する携帯電話基地局にLPガスを継続的に供給するシステムを構築し、運用を開始した。
ソフトバンクが基地局に整備・管理している非常用発電機には、定置式とポータブル(可搬式)の二つのタイプがある。いずれもLPガスか油を燃料としており、このうちLPガス発電機への燃料供給を担っているのが伊藤忠エネクスグループだ。
両社の協業は、2021年にさかのぼる。ソフトバンクが、特定の基地局へ定置式のLPガス非常用発電設備を導入したことを契機に協業がスタートした。
災害に強い通信ネットワークの構築に向けたソフトバンクの取り組みと、災害に強いLPガスの特性が合致したわけだ。その後、両社の関係はさらに進むことになり、昨年からは可搬式の非常用発電機へのLPガス供給も加わった。

他社と連携し供給体制を構築 72時間以上の稼働を担保
可搬式では、伊藤忠エネクスが日本BCPと連携して発電機向けの燃料供給体制を整備している。伊藤忠エネクスグループ(関係取引先含む)が全国10地点の燃料備蓄拠点でLPガス容器へ充填。日本BCPが、ここから全国各地のソフトバンク基地局にLPガス容器を運搬する仕組みだ。これにより安定的なLPガスの供給を可能としている。
定置式についても、LPWAで容器内の残ガスなどをリアルタイムに管理し、有事には最低でも72時間以上の稼働を担保している。
伊藤忠エネクスグループの関係者は「長期保管による劣化が少なく、長時間の稼働を支えられるのがLPガスの大きな特長だ」とした上で、「災害時には災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などを通じた、被災者の安否確認や情報伝達が非常に重要になる。その基盤となる通信インフラを、エネルギー供給を通じて支えていきたい」と、取り組みの意義を強調する。


