【特集2 ライフライン強靭化】燃料設備の信頼性が向上 有事と平時に供給力を提供するタツノ
タツノは燃料設備の進化で新たな価値を創出している。災害対策から生産性向上まで、活用領域が拡大中だ。
鋼製の地下タンク内には、長期使用によるスラッジ(泥上の固形物)やタンクから発生したさびが底部に固着している。平時においては問題とならないが、災害時には深刻なリスクとなる可能性がある。地震の強い揺れによって固着物が浮遊すると、計量機やフィルターが目詰まりを引き起こし、給油不能に陥ったり非常用発電設備が稼働停止したりといった重大な被害を招くからだ。実際、東日本大震災では同様の事態が多数発生している。震災後に関係団体が実施したアンケート調査では、非常用発電機が始動後に停止した原因の一つとして報告された。非常用発電設備が有事の際に稼働しない状況は、BCP(事業継続計画)の観点から大きなリスクと言える。
タツノは、この課題を根本的に解決するソリューションとして、内面をFRP(繊維強化プラスチック)でコーティングしたプレミアムタンク「EcoMaxG」を展開している。接液部分がFRPとなるため、さびの発生を防ぐことができる製品だ。価格は通常のタンクより高額になるものの、高速道路のサービスエリアなど、重要度・緊急度が高く信頼性が求められる場所で採用されている。

BCPと業務改善を実現 投資効率の良さも魅力
万一に備えた自家用給油所への需要も高まっている。以前は、主に運送業者が燃料コスト削減のために導入していたが、東日本大震災以降は備蓄を兼ねた災害への備えとして、多種多様な業種での整備が進んでいる。例えば、通信キャリアでは被災地で運用するアンテナ車への燃料供給や、公共交通機関がまひした際に災害拠点病院が医師や看護師のマイカー通勤を確保する目的でも活用されている。また近年は、運送業界の働き方改革の一環として、給油待ちやSSへの移動時間を削減する業務効率改善での導入も増えている。
エネルギーエンジニアリング部次長で給油設備グループリーダーの藤田慎庫氏は「自家用給油所は投資効率の良さでも注目されている」と語る。より多く燃料を使用する運送業などにおいては十分に投資回収でき、実質的に利益を生み出す設備へと変わる。同社は、災害への備えと業務効率化への貢献を通じ、強靭な社会インフラの構築を進めている。


