【広島ガス】
広島ガスではLNG基地の中核設備を改造した。新たな制御システムを導入して、コロナ禍の安定稼働を支えている。広島ガスではLNG基地の中核設備を改造した。新たな制御システムを導入して、コロナ禍の安定稼働を支えている。
スマートエネルギーの構築やコージェネを導入して需要側のBCPを担保するなど、有事においても安定的にエネルギーを供給し続ける分散型のエネルギー事業者。一方、LNG基地に代表される供給側のエネルギー設備の運用はどうなっているのか。
瀬戸内の穏やかな海に面して立地する広島ガス・廿日市工場。8万5000kℓのLNGタンクを2基備え、4年前には大型LNG船(17万7000kℓ型)が着桟できるように増築工事を行った中規模基地である。
瀬戸内海に面する廿日市工場の全景
経年化を背景に設備改造 新システムで遠隔制御
この廿日市工場では、2年ほど前に設備の経年化を理由に、大型ガスエンジン(5500kW×2基)の改造工事を行った。ガスエンジンは所内の動力を賄うほか、電力の外販向けに稼働するなど、DSS運転を行いながら、基地運用の中核設備の一角を担うものである。
「改造によって、従前に比べて発電効率を3%向上させ、ガス消費量を7%削減するなど、効率的な運用に大きく貢献しています」と廿日市工場製造グループの北木興一マネジャーは話す。
改造では、継続使用が可能な部品や機器を最大限に利用し、経年劣化の兆候がある部品をあらかじめ交換。将来のトラブルの発生リスクを軽減するなどの運用や工事の面でさまざまな工夫を実施した。要所を改造することで、初期投資を大きく抑制した。
同時に最新鋭の技術を取り込み最大限の効率を発揮させることに成功した。こうした取り組みが評価され、2019年度のコージェネ大賞(理事長賞)を、エンジニアリングを手掛けた日鉄エンジニアリング、ガスエンジンメーカーの三菱重工エンジン&ターボチャージャとともに受賞した。
加えて、ユニークな取り組みとして注目すべき点がある。北木マネジャーによると、「ガスエンジン用燃料として、都市ガスをそのまま利用する方式とBOG(ボイルオフガス)を有効利用するデュアル燃料方式を採用している。また、熱調用のLPガス価格を加味しながら全体最適になるように運用している」(北木マネジャー)という。
さらに今回の改造に合わせて、「DIASYS Netmation」と呼ばれる最新の運転制御システムへと変更した。ガスエンジンメーカー側で、日々の細かな運転データをクラウド上で管理し解析することで設備の保守管理を遠隔に行う仕組みである。
結果的に、こうした取り組みは、基地内へ必要以上に人員が出入りすることを減らすことにもつながっているという。これはすなわち、コロナ禍における安全・安定運用の手助けにもなっているといえるだろう。
ガスエンジンを改造して発電効率を向上させた