〈メディア人編〉大手A紙・大手B紙・大手C紙
高市政権は「責任ある積極財政」に突き進むが、むしろ「無責任」との指摘が相次いで……。
―燃料油に加え夏の電力・ガス補助金が復活した。3兆円強の補正予算をどう評価するか。
A ガソリン補助金見直しの声が党内で上がる中、国会での審議時間は短く拙速だ。円安が止まらず、長期金利が上昇する中、経済は当面相当厳しい状況となる。中長期の視点で方策を示す政治家はいないのか。
B 高市早苗首相は党内の声に聞く耳を持たないし、カレンダーを踏まえた戦略が描けていない。だから衆院の議員定数削減や国旗損壊罪創設、皇室典範改正などをまだやっているし、夫婦別姓は秋以降になる。
C 中央公論7月号に「ガソリン補助金を撤廃しナフサを確保せよ」と題した今井尚哉内閣官房参与の原稿が載った。これは経産省が代弁してもらったということか。とにかく高市政権の経済政策は頼りない。ただし解散しない限り選挙はない。総裁選他候補や他党の中傷動画を巡る文春報道への説明も筋が悪いが、支持率は大きく下がらない。
―ただ、6月の時事通信の世論調査では支持率が政権発足後最低を更新。今後どう動くか。
C さらに共同通信が中傷動画を作成・拡散したとの当人の証言を報じた。代理人を務めるヤメ検弁護士が仕切ったとされ、共同が利用されたと言える。
―後に掲載写真の事実関係に疑義が生じ、写真を削除した。
C 他方、食品の消費税を2年間限定で1%とする案が浮上。首相は日経で「特例公債に頼らない」と明言していたが、理解不能だ。
B 中道改革連合などにつられてしまい、中道も責任を取るべきだ。好意的に見れば、本丸の給付付き税額控除の流れができたと言えなくもないが……。
A 市場が政権を見放していることが問題。公約とはいえ、これでは日本は八方ふさがりだ。
首相の会見姿勢の是非 反発しないメディア
―閣議後会見でナフサ目詰まりを巡る赤沢亮正経済産業相とエコノミスト記者のバトルが話題になった。
B 本当にナフサが不足しているかどうか、データを使い報じるべきだし、日経のカルビー担当記者は、白黒パッケージ問題で政府に何を言われたのか聞き出すべきだ。
C 一報、朝日はカルビー発表直後に官邸幹部が「売名行為」と批判したと報じた。これはヒットだった。
―首相が会見で質問を数問しか受けない姿勢も目立っている。
C ただ、最近の歴代首相もそんな感じだったと政治部の記者は言っている。質問者を選ぶのも前からだ。
B 高市首相は今年度当初予算成立の会見の頃から1~2問で終わるように。このぶら下がりのようなものを会見と認めてしまったのが良くない。ただ、そもそも閣僚や官房長官が随時会見しており、首相の会見にどれほど意味があるのか。ネタが欲しいなら直に電話なりすべきだ。
A でも5月大型連休中の豪州首相との共同会見は質問ゼロ。日本側が質問は受けないと譲らず、現地メディアから批判が出た。首相の体調問題によるとされているが、フリーやネット記者にしつこく突かれたくないのが本音のようだ。確かに目に余る記者はいるが、質問の機会を与えないというのは違う。
B パージは良くないが、一線を越えた記者を野放しにするのも良くない。メディアと政治がお互いに不信感を強めている。
A 会見の開催権は記者クラブにあり、そうした記者の扱いはメディア側が決めるべきだ。
C 今の世論であるネットが首相を支持している。中傷動画の説明が支離滅裂でも「週刊誌報道にいつまで国会の時間を費やすのか」との声が大きく、それをメディアも分かっている。首相はまさしくわれわれを「オールドメディア」として扱い、トランプ大統領に似てきたね。
B ただ、首長選で地味に負けている。9月の沖縄知事選で、辺野古沖転覆事故で逆風の玉城デニー知事に負けるようなことがあればダメージになる。
法廷録音問題に同情の声 情報管理が日本全体の課題
―大手電力では法廷の無断録音が相次いで明らかになった。
C 中部を皮切りに次々発覚した。この件には同情する。日本の法廷は取材対応含め公開性に欠けている。でもこれを機に見直そうとしないのが日本だ。
B 録音したい衝動にかられた記者は大勢いて、企業の法務部も同様だ。もちろんやってはならないが、守ることが合理的でない現状も問題だ。
A とはいえ、カルテルや浜岡の件も見れば中部のコンプライアンス意識は問題だし、電力だけでなくプルデンシャル生命保険なども同様だ。そうした不祥事の追及と分けて、法制度の問題は各紙が別途指摘すべきだ。
―他に気になったエネルギーニュースは?
C 九州電力送配電の顧客情報紛失は信用問題に関わる。
B 1000万人超の情報が入ったSSD(記憶装置)が所在不明で、パスワードをかけていなかった。外部の業者が持ち出した説などあり、続報次第だ。
C あまり報じられていないが、原子力規制庁のスマホ紛失も大きな問題だ。また、共同通信元記者が会社貸与のPCやスマホなどを紛失という件もあった。
A 日本全体で情報管理の緩さがある。防衛産業で稼ぎたいなら、情報管理のレベルを高める必要がある。今の状態では相手国は日本を信用できない。
―ミュトスショックも踏まえ、メディア含めて意識レベルを引き上げる必要がある。








