4月28日、電力広域的運営推進機関は第2回長期脱炭素電源オークションの約定結果を公表した。
初回よりも蓄電池の競争率がさらに激化し、大規模電源は応札そのものが低調。制度の意義が改めて問われている。
この制度により、将来の供給力を脱炭素電源で安定的に確保するという目的を、本当に達成することができるのか――。
2回目の長期脱炭素電源オークションの約定結果を巡り、エネルギー業界からはこのような危惧の声が吹き上がっている。
同オークションは、電源をリプレース、新設する上で課題となる長期的な投資予見性を高め脱炭素電源投資を促進しようと、2023年度にスタートしたもの。容量市場のメインオークションが単年度の供給力に対する支払いであるのに対し、原則20年にわたり固定費相当の収入が保証される。
他市場収益の9割を還付することが条件だが、マーケットからの収入が不透明である以上、事業者にとって利益が確約される利点は大きい。大手電力関係者は、「決して万全な制度ではないが、老朽火力のリプレースなど電源の新陳代謝を促せる」と、一定の期待を寄せる。

脱炭素改修は低調 蓄電池は権利転売の動き
では、憂慮される点はどこにあるのか。
同オークションでは、電源種を大きく「脱炭素電源」と「LNG専焼火力」に分けて募集する。今回の結果を受け、特に業界関係者が問題視しているのは、脱炭素電源のうち「既設火力の水素・アンモニア混焼への改修」が四国電力の西条発電所1号機1件(9・5万kW)にとどまり、前回の6件(82・6万kW)に続き低調に終わったことだ。片や蓄電池が大量に約定し、それによる弊害が懸念される。
というのも、第2回入札では「蓄電池・揚水」が運転継続時間によって「3時間以上6時間未満」と「6時間以上」に分けて募集された。初回の約定結果を踏まえ、新規に開発することが難しい揚水の温存をサポートするのが狙いだ。ところが、実際に落札できた揚水は関西電力の奥吉野発電所1、2号機(計36万kW)のみという結果に。
その要因は「6時間以上」の枠でさえ、揚水の価格水準では太刀打ちできない低価格で蓄電池による応札があったことだ。
当落水準は3時間枠で1kW当たり1万円台前半、6時間枠でも2万円台前半ほどと推定されており、いずれも「極端なことをしない限り無理だ」と言われた前回の2万4000~2万5000円を下回る水準。これには前出の大手電力関係者も、「落札した中には、稼働させる意思がない事業者がいる。われわれには思いもよらないことをする人たちに、市場を荒らされている」と不信感を募らせる。
それだけではない。既に初回で落札された蓄電池では、権利の転売ビジネスが始まっているとの情報もある。確かにオークションの約款では、電力広域的運営推進機関の承諾を得た上で、契約を他社へ承継することが認められている。だが、アグリゲーター事業者の一人は、「20年間という契約期間中に、事業者が廃業したり、事業から撤退したりといったケースに備えるのが本来の趣旨。運用開始以前からの転売ビジネスを想定したものではなかったはずだ」と言い、予期しなかった事態だと強調する。価格の妥当性や事業者の参加資格の精査を含め、早急に手を打つことが求められる。









