7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙は、自民、公明両党の獲得議席が47議席にとどまり、非改選を合わせた参議院の過半数に3議席とどかなかった。1955年以降、衆参ともに与党が少数になるのは初めてだ。野党では参政党が躍進、国民民主党が勢いを維持し、立憲民主党や日本維新の会が伸び悩んだ。

現職のある衆議院議員は「参政は主張こそ右派的だが、風を味方につけて政権批判票が流れ込んだ。国民民主は候補者選定で一悶着ありながら、昨年の衆院選に続いて大幅に議席数を伸ばし、東京でも2議席を獲得した。勢いだけでなく、地力をつけてきた証拠だ」と振り返る。
柏崎刈羽原発を抱える新潟選挙区は激戦となったが、約1万票差で立憲民主の現職が自民の新人を破った。2016年に1人区となって以来、同区では与野党の接戦が続いていたが、保守票を奪ったとされる参政の候補者が20万票を獲得した中での僅差に、大善戦と見る向きがある。ただ自民関係者に覇気はない。「小選挙区で全敗した衆院選に続いての敗戦で、再稼働推進の勢いはなくなった。もう新潟は〝立憲王国〟で、今のままでは年内再稼働は難しいかもしれない。自公国連立などで勢いが出ればいいが、とにかく今後の政局次第だ」
国民・参政は原発推進 政策の中身を競う時代に
エネルギー政策はどう変わるのか。国民民主は比例区の候補者と原発の必要性を認める確認書を交わした。公約では、電力システム改革の必要な見直しや原子力規制委員会の審査プロセスの合理化・効率化など、現実的な提言が目立つ。参政も次世代炉の開発には前向きで、パリ協定の離脱やカーボンニュートラルの必要性の検証など従来の政策の大幅転換を狙う。一方、比例の獲得票数で野党3位に甘んじた立憲民主は「50年再エネ100%」を掲げ、「核燃料サイクルの中止」を盛り込んだ。中道の野田佳彦氏が代表を務めるとはいえ、党内は相変わらず左へのウイングが広い。
こうした点から、福島伸享衆議院議員は今回の結果を「エネルギーを巡るイデオロギー対立の終焉」と前向きに捉える。「原発か、脱原発かという対立が終わり、今後は原子力の活用を前提としてエネルギー政策の質を競う時代になる。現実的なベストミックスや規制、研究開発をどう進めていくのか。業界はこれまでのように反原発に対するカウンターではなく、政策を磨いた方がいい。第7次エネ基の原子力の方針転換で一息ついている場合ではない」
今後、与党としては秋の臨時国会までに補正予算を成立させられる状況を作る必要がある。仮に自民党総裁選となれば、候補者ごとに異なる連立の枠組みを提示する異例の展開となる可能性も……。一体どんな政治風景で秋を迎えるのか、現時点では想像がつかない。











