SDV(Software Defined Vehicle)には、いろいろなメリットがあると言われている。消費者にとっては、いちいちディーラーにクルマを持ち込まなくてもOTA(Over The Air)を利用して機能を向上させたり、新たな機能を取得できたりすることが挙げられる。また、自分の好みの特性にカスタマイズすることも可能となる。
A 第6次以降の情勢変化を踏まえ、第7次は現実的な議論になってきている。原子力の扱いが前向きになり、ガス火力の役割もきちんと位置付けられそう。一方、前回は水素やCCS(CO2分離・回収)は実装に向けてやや踏み込んだ数字を示したが、この点も後ろ向きではないにせよ、高価格の見通しなどを踏まえた現実的な書きぶりになるのではないか。また、30年の再生可能エネルギーや原子力の数字は据え置き、6割がカーボンニュートラル(CN)との立て付けだが、そこに至る具体的な道筋がぼやっとしたままだ。30年目標を変えないのならば、送電網強化など先々の話だけでなく、短・中期の対策をより具体化すべきだ。蓄電池のさらなる導入促進などの議論がもう少しあっていい。
「甲辰年」→「乙巳年」でエネルギー業界は上向くのか
B 数字的にはNDC(国別目標)の35年60%削減が既定路線だが、CNへのスタンスは変化した。ガス業界にとっては、エネ基策定では原子力と電化の推進ばかりにフォーカスされ、ガスの存在意義を確保することに苦労してきた。翻って今回は、長くなりそうなトランジション期におけるLNGの重要性、そしてe―メタンの位置付けがしっかり描かれるはずだ。過去より良い内容になると受け止めている。ガス体エネルギーという意味では、水素については豪州のプロジェクトからの撤退が出るなど、何度目かの尻すぼみの気配が漂う。一方、e―メタンは30年1%を踏襲しつつ、北米のプロジェクトなどで25年度に重要な意思決定が控えている。e―メタンに加え、バイオメタンでも水素でもあらゆる技術で気体燃料のCN化を目指す、という書き方になれば良い方向に向かい、この点は役所と思惑が一致している。
C ロシア・ウクライナ戦争でエネルギーセキュリティの重要性が表に出て、脱炭素とのバランスには相当配慮されているが、石油的には今回のエネ基にも正直特筆すべき点はない。ただ、脱炭素が達成された後も石油の需要は残り続けるという観点で、サプライチェーンに目配りされるようになったことは評価できる。業界的に一番期待するのは技術開発への政府支援。そして、セットで示される「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」が重要な指針となる。エネルギー転換が起きるなら産業構造の転換も不可避で、勝ち組、負け組が出てくるからだ。その意味で、グリーン政策を環境省から経産省が主導するようになったことは意味がある。
C 石油業界の漢字としては「断」を選んだ。海外では動乱が加速した一方、日本国内は燃料油補助金のおかげで静かなもので、国際市場と国内市場が完全に分断された。また、海外でもロシア・ウクライナ戦争に伴い、あるいは(温暖化防止国際会議)COP29の場で、先進国と途上国の分断がより鮮明化した。流行語大賞は「激変緩和」しかない。
B ガスは表面的には「凪」だった。ロシア産ガスの供給途絶や燃料価格高騰での右往左往がなくなり、価格の激変緩和も継続。環境対策ではe―メタンを巡り日本でCO2削減量をカウントできるルールが整理された。他方、大手事業者を中心に力点を置いたのは電気の話題ばかりだ。風力開発や系統用蓄電池事業など、バリューチェーンで電気を売ることが今後の経営の共通トレンドだが、インフレによる資材価格高騰もあり、しっかりとした経営の柱が出てこない。こうした動きを別の角度から見ると「焦」も当てはまるかも。