【東京ガス/国内で初めて海外製のメガワット級水電解装置を運用】
東京ガスは、住友商事と進める水素利活用を目的とした共同実証実験に向け、メガワット級の固体高分子(PEM)型水電解装置を東京ガス横浜テクノステーション内に設置した。この装置は英国のITM社製で、海外製のメガワット級のPEM型水電解装置による運転検証は国内初。水素利活用の課題となっている製造コスト高に関しても大幅な操業費低減を実現するという。共同実証実験は2024年6月に開始。東京ガスは、メガワット級PEM型水電解装置のオペレーション、メタネーション装置などとの連携運用ノウハウの獲得を目指し、製造した水素をe―メタン製造実証実験にも利活用していく。
【沖縄電力/水素社会構築へ水素混焼発電実証を開始】
沖縄電力は3月、沖縄県中城村の吉の浦マルチガスタービン発電所(定格3.5万kW)で水素混焼発電実証を開始した。14日の試験では、体積比30%の水素を混焼。これは、国内事業用既設火力として全国に先駆けた混焼規模となる。同実証は、2050年 CO2排出ネットゼロの実現に向けたロードマップの柱の一つ「火力電源のCO2 排出削減」のための「クリーン燃料の利用拡大」に資する重要な施策。水素混焼発電の運用技術確立を目指すとともに、沖縄エリアにおける水素利活用のファーストムーバーとなることで、水素社会構築に積極的に寄与していく構えだ。
【Daigasグループ/国内最大級のバイオマス専焼発電所で竣工式】
大阪ガスは3月、昨年12月に運転を開始した広畑バイオマス発電所(兵庫県姫路市)の竣工式を開いた。Daigasグループにとってバイオマス専焼発電所の商業運転開始は4カ所目。燃料は、輸入木質チップやパーム椰子殻、同社子会社のグリーンパワーフェエル(GPF)が調達する国産木質チップで、国産木質チップには、林地残材・未利用間伐材などを活用する。バイオマス専焼発電所として国内最大級の発電容量(約7万5000kW)を誇る同発電所の事業会社の広畑バイオマス発電には、Daigasガスアンドパワーソリューションが90%、九電みらいエナジーが10%を出資している。
【ENEOS/東京・晴海に水素供給拠点を開設】
ENEOSは3月、東京・晴海にある東京五輪選手村跡地に、新たな水素供給拠点となる「東京晴海水素ステーション」を開設した。大型商用車含む燃料電池車(FCV、FCバス・FCトラック)などに直接供給するほか、道路下に敷設した水素パイプラインを通じて跡地街区内の純水素型燃料電池にも供給する。導管での供給は東京ガス子会社と連携する。
【三菱マテリアル・三菱ガス化学・Jパワー/安比地熱発電所が営業運転開始】
三菱マテリアル、三菱ガス化学、Jパワーの共同出資会社である安比地熱は3月、安比地熱発電所(岩手県)の営業運転を開始した。標高約1130mの高地に位置する岩手県八幡平地域の有望な地熱資源の活用を見込み、2019年8月から建設を進めてきた。発電出力は1万4900kW。岩手県で発電出力1万kWを超える地熱発電所の稼働は28年ぶりとなる。
【三井E&S/世界初の大型船舶用水素エンジンの燃焼運転に成功】
三井E&Sは3月、ライセンサーのMANエナジーソリューションズSEと共同で、シリンダー直径50㎝の大型船用テストエンジンにおける水素燃焼運転に世界で初めて成功したと発表した。テストエンジンの4本のうち、1本を水素燃料用に改造。同社玉野工場(岡山県玉野市)にある水素ガス供給設備にて水素漏えいなどの不具合なく運転できたことを確認した。