【三菱化工機】
三菱化工機の「HyGeia(ハイジェイア)」の企業への納入が進んでいる。
長年にわたる実績に基づいた技術力が高い評価を受けているためだ。
水素製造装置を手掛ける三菱化工機に追い風が吹いている。2023年度は東南アジア・タイで、同国では初めてとなるバイオガス由来の水素製造装置が導入された。導入先はタイのトヨタ自動車の関連会社だ。その設備導入をメーカーとして支えたのが三菱化工機である。
同社の「HyGeia(ハイジェイア)」を使って、鶏糞や廃棄物食料由来のバイオガスから1時間当たり1000ℓの水素を製造する。

運用はトヨタ側が担う。バイオガスや水素の圧縮、貯蔵、輸送に関わるチェーンはトヨタと豊田通商が連携して構築する。水素は配送用の燃料電池トラックの燃料に活用する。
三菱化工機はバイオマスの取り扱いで実績がある。石川県金沢市では下水ガスを改質してメタンを製造し、都市ガス向けに活用したり、福岡市では下水処理施設で生じたガスから、高純度の水素を製造して水素ステーション向けに供給するなど、日本国内で実績を重ねてきた。
「今回の導入では、これまでの実績が評価されたと思う。加えて世界のトヨタさんと一緒に仕事が出来て光栄だった。設置工事から運開に至るまでの工程管理など、スピーディに物事を進めていく(トヨタの)時間軸の感覚は当社として大変に勉強になった。この知見を反映し今後の導入事例に生かしていきたい」。技術開発・生産統括本部の石川尚宏副本部長はこう力を込める。
鉄鋼産業向けの水素製造 都市ガス業界も注目
鉄鋼業は日本全体のCO2排出の14%近くを占める。業界が水素利用によるCO2排出削減に力を入れる中、三菱化工機の水素製造装置が大きな役割を果たそうとしている。
23年2月にJFEスチールの東日本工場(千葉市)向けにハイジェイア7基を受注。グリーンイノベーション(GI)基金を活用する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として、製鉄プロセスで水素を活用する取り組みを支える。
東日本工場での事業では、カーボンリサイクル高炉に取り組む。高炉から発生する排ガス内のCO2を有効活用して、メタンを製造。製造したメタンを還元剤として高炉で利用することで、カーボンサイクルを成立させる。
このメタネーション反応に必要な大量の水素製造をハイジェイアが担う。こうした取り組みによって製鉄プロセスからのCO2排出を50%以上削減することを目指していく。
メタネーションは、都市ガス業界が既存のガスインフラを有効に活用できるとして、本腰を入れている技術領域だ。設備を大型化することで、最大の課題となるコストの低減に向けて、大手ガス会社が中心となり技術開発を進めている。ハイジェイアによる鉄鋼業界での水素生産のスキームは、ガス業界も注目しそうだ。














