洋上風力発電事業を巡る汚職事件で起訴された秋本真利衆院議員が運営を仕切っていた自民党の「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」が再始動し、後任の事務局長として三宅伸吾参院議が就任した。三宅氏は、自民党随一の脱原発再エネ推進派として知られる前任とは対照的に「原発推進派」で、国益を守る防衛政務官でもある。経済安全保障や産業競争力を強化する観点から再エネを進める必要性を説く三宅氏に、再エネ議連の役割や当面の活動について聞いた。

――再エネ議連は3月の総会で新たな事務局長を承認し、約8カ月ぶりに動き出した。議連が果たす役割は?
三宅氏 世界的にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量を実質ゼロ)へ対応する機運が高まる中、再エネを導入する動きが拡大している。日本もあらゆる政策を総動員し、再エネを加速させていくことが極めて重要だ。これまでも議連は、再エネ導入のけん引役としての役割を担ってきたが、それはこれからも変わらない。今年は「第6次エネルギー基本計画」の見直しの議論が進むことになる。議連としても精力的に議論を展開し、次の基本計画に向けて大きな役割を果たしていきたい。今後は、それを期待する柴山昌彦会長の思いを具現化するための現場の作業を進めていくことになる。
――三宅氏の立場は原発推進派と聞いている。エネルギー政策にどう向き合う考えか。
三宅氏 原発を速やかに廃止の方向に持っていくことには賛成していない。「安全性を確保しながら速やかに再稼働できる原発は動かせ」という意味で、原発推進派だ。ただし、100%原発で日本のエネルギー源を賄うという主張ではなく、エネルギーコストや脱炭素などの観点から日本が置かれた状況を見極め、ベストミックス(望ましい電源構成)を追求するという立場だ。
政府は、安全性を大前提にエネルギーの安定供給、環境適合性、経済効率性をバランスさせる「S+3E」を一貫して重視してきたが、その大原則に揺るぎはない。
――ベストミックスの中での再エネの位置づけは?
三宅氏 再エネをどう位置づけるかの具体的な議論はこれからだ。脱炭素に加えてエネルギー安全保障の観点からも再エネを拡大するという視点が重要だ。議連としては、さまざまな再エネに関する政策の検証を進め、課題を洗い出したい。検証結果は、政府が夏に閣議決定する「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」を視野にまとめる提言に反映したい。
日本発の技術で新たな市場創出を
――中でも次世代電池「ペロブスカイト太陽電池」に注目している。
三宅氏 柴山会長から事務局長をやってくれと言われたのは昨年末。やる以上はリスタートにふさわしいテーマを選びたいと考え、自分なりの勉強を経て、ペロブスカイト太陽電池を取り上げることにした。ペロブスカイトは軽量で柔軟性があるため、建物の壁面や耐荷重の低い屋根など、これまでの太陽電池とは異なる場所にも設置できる。世界をリードする日本発の技術で国産化できる可能性は、政治家の心に刺さる魅力だ。国内に豊富に埋蔵するとされている主原料「ヨウ素」は他国に依存しなくて済み、経済安全保障上の懸念がない。それ以外にも産業競争力の強化や環境技術で日本の存在感を高める環境外交の推進など、(国益につながる)旗を多く立てることができる。
――防衛省は、自衛隊施設へのペロブスカイト太陽電池導入に意欲的だ。
三宅氏 政府は、公共施設もしっかり再エネ対応しようという方針を決めている。防衛省としては、自衛隊庁舎や隊舎など約2万3000棟を全国に保有しており、既存施設の更新とペロブスカイトの市場化のタイミングが合致すれば、積極的に自衛隊施設へ導入するための検討を進めたいとしている。ペロブスカイトの市場が一挙に立ち上がり、大きな需要が生まれて大量生産ができるようになれば、コストはどんどん下がっていくだろう。

















