【特集2/座談会】期待高まる分散型エネ資源 重要視される市場の制度設計

2024年7月3日

コージェネ、再エネ電源、VPP……。多様なリソースの出番が着々と増えている。

主力電源を担う火力発電の先行きが見通しにくい中、分散型の活用方策を探る。

【出席者】
石井英雄/早稲田大学スマート社会技術融合研究機構事務局長
岩田哲哉/東京ガスソリューション共創本部ソリューション事業推進部長
新貝英己/東芝エネルギーシステムズエネルギーアグリゲーション事業部営業担当上席部長

左から順に、石井氏、岩田氏、新貝氏

―大規模電源の先行きが不透明な中、さまざまな分散型の事例が出てきています。まずは石井先生に分散型の歴史や現状について解説いただき、次に事業者の方々に分散型を活用した取り組みについてお聞きします。

石井 日本の分散型の歴史はとても長く、エネファームや蓄電池、電気自動車(EV)などは、低炭素化や省エネ、エネルギー利用の効率化に向けて開発されたものです。経済産業省のプロジェクト「クールアース50」で取り上げられた機器群から発展した製品が今、実用化されて役立てられています。

2009年頃にはスマートグリッドが登場し、分散型を統合して使う概念が入ってきた。この時、通信で機器を制御して、省エネやエネルギー効率を向上させるエネルギーマネジメントが追求されました。その後の東日本大震災で大規模システム一辺倒は脆弱だとの認識で、分散型を強調する流れになりました。

今では脱炭素化、カーボンニュートラルの流れで再生可能エネルギーが増え、需要と供給のバランスを取るため、需要側の分散型資源の活躍も求められている状況です。

岩田 当社は、ガスと電気のベストミックスで、コージェネレーションを核に再エネや空調、給湯、EVといった多様なリソースを広げることが重要だと考えています。また、東日本大震災を機に、コージェネの持つピークカット、レジリエンスといった価値が見直されました。エネルギーが全面自由化された今は、ガスだけではなく、電気式空調機やターボ式冷凍機の扱いを加速させ、ベストミックスの価値として、お客さまに最良な省エネ、低コスト、脱炭素、レジリエンスをご提案しています。

――コージェネの運用は、従来とは違ってきますか。

岩田 コージェネが容量市場や需給調整市場に適用され、さらに他の用途が出てくれば、設備単体ではなくて、当社がかねてから取り組んでいたスマートエネルギーネットワークのようなシステム全体での運用へと広がっていくと考えています。

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