【中国電力 中川社長】電源の低炭素化と市場対応力の強化で 経営の安定化に努める

2026年7月1日

エネルギーを巡る地政学リスクが高まる中、グループ経営ビジョン2040の達成に向け中期経営計画とアクションプランを策定した。

強固な供給基盤と一層の市場対応力強化により、変革期における経営の安定化と成長を目指す。

【インタビュー:中川賢剛/中国電力社長】

なかがわ・けんごう 1985年東京大学工学部卒、中国電力入社。2017年執行役員・経営企画部門部長兼原子力強化プロジェクト担当部長、21年常務執行役員・需給・トレーディング部門長などを経て23年6月から現職。

井関 まずは、2025年度の業績の振り返りから。決算としては減収減益となりましたが、全体をどう評価していますか。

中川 売上高は、エリア内外での需要獲得による小売販売電力量の増加はありましたが、燃料価格が比較的低水準で推移したことによる燃料費調整額の減少などにより減収となりました。経常利益は、昨年1月に島根原子力発電所2号機が営業運転を再開し、年度を通じた安定稼働により、収支面で大きなプラス効果をもたらしましたが、卸・小売事業における他社との競争進展の影響などに加え、送配電事業の利益減、市場金利の上昇等に伴う支払利息の増加などもあり、減益となりました。

井関 26年度の業績見通しについてはいかがですか。中東情勢は極めて不透明で、先を読むことが難しいと思いますが。

中川 おっしゃるとおり、中東情勢を含め先行きは非常に不透明です。26年度は、原子力発電所の定期事業者検査による稼働の減少などに加え、足元で高騰している燃料価格が年間を通じて高止まりする前提のもと、大幅な燃料費調整制度の期ずれ差損などによる減益を見込んでいます。さらに、今後の燃料・資機材調達環境の悪化や国内製造業の生産動向に伴う電力需要の変動など、収支に影響を与えるリスクは多く、リスク管理のさらなる高度化に取り組むとともに、電力需要の獲得、島根原子力発電所の安定稼働、市場の価格変動を捉えた取引による収益獲得や経営全般にわたる効率化を図るなど、引き続き業績の改善に向けて取り組んでいきます。


中東情勢の長期化懸念 リスクを慎重に見極め

井関 燃料調達への影響は。

中川 長期契約が多く、直ちに電力供給に支障が生じるような影響は受けていません。それでも中東情勢の混乱が長期化すれば調達価格上昇などの懸念がありますので、しっかりと注視していく必要があります。

井関 ナフサ価格の高騰による産業用電力需要への影響はありますか。

中川 瀬戸内地域は石油化学コンビナートが集積しているため、ナフサ価格高騰の影響を受けているという話を各方面から聞いています。ただ、当社の電力需要の実績を見る限りでは、現時点で極端に大きな需要減といった変化は見られません。決して楽観はできませんが、政府側でもサプライチェーンの目詰まりを解消するためのきめ細かな調整を進めていると聞いており、今後の動向を注視していきます。


経営ビジョン実現へ 5年間の中計を策定

井関 4月に5年間の「Action Plan 2030」を発表しました。ポイントをお聞かせください。

中川 当社グループは昨秋、40年度をターゲットとして新たに「中国電力グループ経営ビジョン2040」を策定しました。このグループ経営ビジョンの実現に向けた実行計画として、26年度から30年度までの5年間を対象とする「中国電力グループ中期経営計画」を策定し、その概要を取りまとめたものが今回のアクションプランとなります。経営ビジョンで示した30年度の経営目標(財務目標・サステナビリティ目標)の達成に向けて、具体的な施策・取り組み内容を一段と深掘り・拡充した点が特徴です。将来の成長に向けた「稼ぐ力」の強化と、PBR(企業価値)向上の蓋然性を高めるための実行計画として、「成長戦略」「財務戦略」「サステナビリティ戦略」の三つの柱で整理しています。

また、この5年間を、経営基盤を回復させるステージから一歩踏み出し、「持続的な成長に向けた変革と基盤づくり」を力強く進める期間と位置付けており、島根3号機の新規稼働および柳井新2号機(LNG火力)の建設や次世代送配電ネットワークの整備など、大型投資をはじめとする将来の成長に必要な取り組みを着実に実行し、グループ経営ビジョンに掲げる30年度の経営目標の達成に向けて取り組んでいきます。

グループ経営ビジョン実現に向けてAction Plan 2030を打ち出した

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