日立基地2号タンク建設が佳境 茨城幹線整備で関東ループ化へ

2020年10月4日

コロナ禍でも工事順調 感染防止の対応徹底

東ガスの久野部長(左)とTGESの佐塚所長

工事が順調に進む中、今年に入って課題となったのが、新型コロナウイルス感染防止への対応だ。日立基地の工事では最大で一日250人ほどの作業員が出入りするため、感染を構内に持ち込まないための対策を徹底した。

手洗い・消毒や三密回避などが基本で、例えば毎朝の朝礼は回数を増やして分散しつつ、一人ひとりの間隔を空けるなど工夫。夏が近づいてからは、屋外で距離を取れれば適宜マスクを外すなど、熱中症対策との両立を図ってきた。作業員一人ひとりが対策を徹底したことで、現在まで感染者は一人も出ていないという。

「作業員には自宅も含めた移動自粛など、私生活への制限もお願いしましたが、皆協力してくれました」(TGES佐塚所長)

「各人がインフラ工事を担っているという意識の高さで、コロナ禍でも作業を滞りなく進められています」(東ガス久野部長)

日立基地では、1号タンク建設工事の着工直前に発生した東日本大震災の教訓を踏まえ、津波対策も念入りに検討した。政府の中央防災会議の想定以上の6.5mの津波にも耐えられるよう、一部の設備をかさ上げするとともに、非常用発電機は高所に設置している。

2号タンク、そして茨城幹線の工事完了予定まであと半年。久野部長は「北関東のみならず、関東広域のエネルギーの供給安定性向上に貢献するという意識を持ちつつ、1号タンクの安定操業を続けながら、新たな重要インフラとして2号タンクの建設工事が計画通り進むよう努めていきます」と強調する。地震や津波への備えに加え、想定外のパンデミックが起きても、大プロジェクトは滞りなく進んでいる。それが実現できているのは、ひとえに関係者の意識の高さと努力あってこそだと、改めて実感した。

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