【日本原子力発電 村松社長】原子力専業として期待される役割発揮へ一歩ずつ前進
東海第二審査進む 安全文化を再構築

井関 東海第二は、長期脱炭素電源オークションで24年度の落札電源となりました。投資回収リスクの軽減について手応えはいかがですか。
村松 東海第二が長期脱炭素電源オークションの落札を通じ大きな支援措置を得られたことは、大変意義深いものと受け止めています。
井関 他方、東海第二の安全対策工事については、防潮堤の一部で不具合が確認されたと聞いています。
村松 23年6月、建設中の取水口上部の防潮堤(鋼製防護壁)を支える2本の柱(基礎部)のうち、地中連続壁部でコンクリート未充填や一部鉄筋の変形などの不具合が確認されました。これらの対応として、24年2月、規制委に設計・工事計画認可申請の補正書を提出しました。その後の審査を踏まえ、当社は不具合のあった地中連続壁部を基礎として使用しない設計に変更しました。昨年12月11日の審査会合では、当社が説明した構造成立性について、おおむね妥当とのコメントをいただきました。
規制委からは、同様の不具合を起こさず施工できるのかを問われていますので、モックアップ施設を準備し、同じ構造の実物大モデルを用いて、実際に鉄筋施工やコンクリートの充填が確実に行えることを検証しています。引き続き審査に真摯に対応するとともに工期ありきではなく安全最優先で進めます。
井関 安全対策工事は今年12月完了を予定してきましたが、年明けにその目標実現は厳しいとの認識を示しています。
村松 新規制基準に基づく対策設備の据付工事などは順調に進んでおり、建屋外側の工事や防潮堤も、取水口の部分を除きおおむね完了しつつあります。しかしながら、現時点における審査の状況などを踏まえると、今年末の竣工は厳しいと思っています。審査の見通しが立った段階で、地域や関係者の皆さまに改めて説明させていただきます。
井関 昨年は中央制御室や溶接用ケーブルからの火災発生もありました。再発防止策や安全管理の徹底に向けた対応状況、また地元の反応はどうでしょうか。
村松 発生した火災事象の背景には「3H」、つまり「初めて」「久しぶり」そして一時的な「変更」を伴う作業がありました。例えば、安全対策工事で初めて実施する作業や、プラントが10年以上停止しているため未経験者が多い環境での作業となっていたこと。また、仮設設備の設置や、新たな設備の導入に伴うレイアウト変更なども要因として関係していました。
こうした背景を踏まえ、当社では注意が必要な作業、特に3H作業の管理を強化しています。加えて、プラントが稼働していた時期に現場経験を持つ要員で「火災撲滅推進チーム」を編成し、彼らが防火をはじめとした安全全般の観点から集中的に現場確認を行ってきました。現在はその知見を引き継ぎ、現行のパトロール体制に組み込む形で活用しています。再発防止策や安全管理の徹底は当社だけではなく協力会社とも共通の課題であり、発注者側・受注者側が一体となり改善を図っていきます。
また、東海の原子力館(PR館)では電源盤内に焦げ跡が見つかった事例がありました。発電に直接関わる設備への対策に意識が集中しがちですが、PR館は地域の皆さまに最も身近な施設であるという視点からの対策が足りなかったと反省しています。構内どの施設でも予防保全を徹底し、私の責任の下で安全文化を再構築していきます。


