【特集2LPガス供給最前線】I・T・Oが生活用水を確保する浄化装置を拡販中 能登半島地震を契機に開発着手

2026年5月3日

I・T・Oは貯水を浄化し、生活用水を供給する災害対応機器を拡販中だ。LPガス中核充填所では、貯水の腐敗防止を目的に平時の利用も始まった。

地震や豪雨など自然災害の激甚化に伴い、I・T・Oの非常用生活用水浄化装置「ウォーターリリーフ」への関心が高まっている。飲料水に関しては備蓄が進む一方、トイレ、洗濯、シャワーなどに必要な生活用水の確保は依然として課題だ。I・T・Oは能登半島地震の際、ウォーターリリーフの製造元であるクリタックと連携し、避難所となった七尾市の小学校に試作機を投入。その時の経験をもとに、被災現場のニーズを取り入れ製品化した。


同製品はプールなどの貯水を浄化し、生活用水として供給する。珪藻土パウダー1袋(約100g)をセットして原水を注入すると、数μまでの汚れを除去。その後、活性炭フィルターで臭気が取り除かれ、塩素消毒を経て生活用水となる。標準装備されている100袋の珪藻土パウダーは、学校のプールの約1杯分を浄化することが可能な量だ。

国の基準をクリアする浄化性能 平時利用で貯水の水質を改善

同製品の特長には「専門知識がない人でも使える操作性」「安価な維持費」「高い水質基準」の三点が挙げられる。操作が簡便で、濾材の珪藻土は国内調達が可能。水質は国が制定した風呂水や遊水プールなどの基準に相当する。600W電源で作動し、1時間当たり最大2000ℓの浄化能力でシャワー4口を同時使用できる。


静岡ガスエネルギーでは、同製品を平時から活用し、防火水槽の水質改善に役立てている。同社はLPガスの中核充填所を有しており、消火設備として、防火水槽と散水設備を設置しているが、貯水の腐敗が長年の課題だった。そこで、同製品を用いて定期的に浄化し、スプリンクラーの目詰まりや悪臭を防いでいる。災害時には、復旧作業に当たる社員のシャワーや洗濯用水への活用も可能だ。

静岡ガスエネルギーの中核充填所


I・T・O営業本部企画課の酒井朋充チームリーダーは「自治体の災害対策の資金を支援する緊急防災・減災事業債の対象でもあり、自治体の関心が高い。全国に約340カ所あるLPガスの中核充填所でも新たな役割を期待できる」と語る。同製品を日頃から使うことで有事の際もスムーズに操作でき、相乗効果を生む確かな備えとなるはずだ。